経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.16】
 
 合い言葉は「Love our bay」!
 
         ラジオ変革の時代に羽ばたく、地元FM局
 
株式会社 エフエムサウンド千葉
     富塚社長に聞く
 
 千葉随一の聴取率を誇るFMラジオ局、bayfmは、来年開局15周年を迎えます。この放送局の社長が、実は銀行の営業出身と聞いて、驚く人も多いかもしれません。新しい時代が始まろうとしているラジオ放送の世界。魅力溢れる番組を、エネルギッシュに創造し続けるエフエムサウンド千葉の富塚國興社長にお話を伺いました。
 
‥‥‥なぜ30年勤め上げた銀行から、ラジオ局の社長に?
 エフエムサウンド千葉の初代社長は、千葉銀行の副頭取であった中臺さん。私の上司でした。当時、私も千葉銀行内で、設立したてのbayfmのために各企業に働きかけるという仕事もしていました。ですから、開局前からbayfmとともに歩んで来たという思いはあったんです。
 3年前に中臺社長が役員を退任されるにあたり、私が後任の役員としてbayfmに入社することとなり「巡り合わせ」というか、「縁の深さ」というものを感じたものです。そして今年6月今泉社長の後任として思いもかけず4代目の社長に就任することとなり、今責任の重大さを痛感している所です。
 bayfmについては私自身は勿論、開局初日からのヘビーリスナーでしたよ。若い頃から音楽は好きで、ラジオは良く聴きました。特に良質な音で、楽曲をノーカットで流してくれるFM局は好きでした。当時、イーグルスの「ホテルカリフォルニア」やサンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」のエンディングまでを、この2曲はものすごく長い曲でして、こういう名曲を喋りを被せずに最後までかけてくれるのは城達也さんの「ジェットストリーム」だけでした。もう夢中で聴いたもんですよ。

‥‥‥bayfmの創立時のことを教えて下さい。
 創立にあたり、当時は県内で70社も名乗りをあげた為、千葉の名士と言われる、そうそうたるメンバーが調整委員となって、調整を進めました。当初は在京の新聞、ラジオ各社の強い出資要請があったと聞いていますが、最終的に千葉県だけの独立FM局として誕生しました。それがちょうど15年前です。
 「bayfm」という愛称の由来ですが、開局当時は湾岸戦争の悲惨な映像がテレビを賑わしていました。中でも人々が心を傷めたのは、重油まみれになった海鳥の姿でした。人と人が争い、自然環境も破壊されていく…こんな愚行を繰り返してはいけない。そして千葉は3方を海に囲まれた、自然の宝庫ですから、この平和と環境を大切にしていきたい、そんな願いが「Love our bay」というステーションメッセージとなりました。
 経営理念は、第一に良い音楽を提供すること。邦楽・洋楽、新譜・旧譜を問わず、良いものは良い、というコンセプトで厳選された楽曲を提供しています。第二に、高品質な音を追求すること。第三に、交通情報や時事ニュースなどの生活密着情報から、アーティスト情報、イベント情報、トレンドチェックなどの最新情報をいち早くにお届けすること。ちなみに、全国に56局あるFM放送局で、一番交通情報の回数が多いのはうちなんですよ。第四に、電波を通じて地元千葉県の活性化に尽力すること。第五に社員貢献。働きがいのある職場づくりという事を経営理念としています。

‥‥‥FMラジオ局としての特徴を教えて下さい。
 まず、千葉県内でダントツの聴取率を誇るということ。
 そしてインターネットに強いこと。ホームページのアクセス数は月間1000万件を越えています。今ラジオで流れている楽曲の情報が検索できたり、DJたちの顔やプロフィールも掲載されています。ネット上で聴きたい時に聴けるオンデマンドにも対応するなど、まさにインターネットと一体化した番組作りを心がけているんです。
 それからイベントに強いこと。公開放送は年300回、イベント開催は年100回。リスナーにはどんどん放送に参加してもらい、ビジュアルに訴えて、耳だけでなく目で、肌で感じてほしいと思っています。
 最後に、アーティストやDJなど新しい才能を発掘し、育てること。今、話題になっている多くのアーティストが、bayfmの番組から巣立って行きました。bayfmを聞いていれば、最先端のトレンドがつかめるという、リスナーのプライドを満足させられるブランドイメージを崩さないよう努力しています。

‥‥‥社会や地域への貢献にはどんな形で取り組んでいますか?
 具体的には「Love our bay募金」や「手賀沼浄化キャンペーン」、夏の海開きには毎年リスナーとスタッフ、そして地元の方が一緒に海岸を清掃する「ビーチクリーンキャンペーン」、また「リスナー安全運転宣言」と称して、一般リスナーの方に番組内で交通ルールを守るという宣言をしていただき、交通安全を呼び掛けています。
 そして災害対策です。365日、24時間放送し続けているラジオ局は、うちだけなんですよ。日曜の深夜などは全ての局が放送を中断するか、テープを流すだけですからね。最大の目的は、例えば地震などの災害時、頼りになるのは携帯ラジオだけですから、一定の震度を越えた場合、全ての番組を中止し、震災情報を流すことになっています。万が一の時に備え、例えコスト高になってもスタッフをスタジオに常駐させて、ライブで放送を続けているんですよ。これは陰で市民、県民の方々の安全を守りたいという一念です。
 それと日常のワイド番組等で、千葉県の見所、聞き所、食べ所などキメの細かい情報をリスナーにお伝えする様努力しています。これは、千葉県の持つ魅力をリスナーにお伝えしたいという事と、一方では地域の活性化及び、企業のご紹介という点でいささかなりとも社会や、地域の貢献にお役に立ちたいという願いのあらわれです。

‥‥‥個性的なスタッフが集まるラジオ局での社員教育とは?
 銀行から来た時は驚きました(笑)。茶髪でGパン、Tシャツ、ピアス…それが普通ですから、今では黒髪のスタッフを見ると「君どうしたの」と尋ねる程です。常識的にどうかと思う方もいるかもしれませんが、見た目の問題じゃないんです。DJやプロデューサー、エンジニアなどのスタッフは全員アウトソーシングで、番組ごとにチームを組んで働くプロです。彼らは厳選された精鋭ばかりです。一見、気楽にやっているような番組も、打ち合わせや反省会は皆、真剣です。DJはオーディションで選ばれて、聴取率が上がらなければ降板となる、厳しい世界ですよ。
 社員も熱狂的に"bayfm"が好きでしょうがない人の集まりなんです。いい番組を作りたい、イベント、コンサートで人々に楽しみを提供したい、いい音を出したいという事が最大の関心事なのです。従ってトレンドを見抜く目、才能あるアーティストの発掘…私なんかには全く良さのわからないものを、うちのスタッフが見つけてくると、それが瞬く間に世間で大ヒットするんですから。全くプロの世界で私は口出しは一切しませんし、出来ません。
 彼らには、やりたいことをやらせています。責任は全て社長が取るから、と。即ち、大巾な権限委譲が人材育成につながっているものと考えています。社長の仕事は、局としての方向性を常に明確にしておくことです。2カ年計画「Brand-new bayfm」では、経営効率と聴取率でNo.1の局をめざしています。全てのセクションに数値目標を掲げ、期限を設けました。どんな業種でも、やるべき人が、やるべき事を、やるべき時までにやり切る。それが、仕事というものなんです。

‥‥‥これからのFMラジオ局の展望をお聞かせ下さい。
 今秋、日本のラジオ界にエポックメイキングな出来事が起こります。10月10日より、テレビに先駆けてデジタル・ラジオのオンエアが開始されます。アナログを遥かに凌ぐ音質の向上と、さらに今後、携帯電話の画面や、新たに発売されるデジタル・ラジオ受信機で、映像やデータ画像と一緒にラジオ番組を楽しめるようになります。
 続いて、FMチュ−ナ−付き携帯電話、商品名が「K-FM」といいますが、auから発売されます。これだけ普及した携帯電話のユーザーが、FMラジオを持ち歩くことになるのは革新的・画期的なことです。ラジオ離れが進む若年層へのアピールも期待できますね。
 我が社独自の改革としては、開局15周年を機として番組の大幅改編と、ビッグイベントの開催を予定しています。開局15年は単なる通過点ではなく「第二の開局」と位置付けて、社名を現在の「エフエムサウンド千葉」から、すっかり定着した「bayfm」に変更する予定です。
 ひとつの新しいラジオ局を開局するつもりで、頑張りたいと思っています。

 
 前のページに戻る
  Copyright (c) 1998 Chiba Chamber of Commerce & Industry. All rights reserved.