経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.17】
 
 新時代のビジネスを支えるサービスを…
 
         お客様のお客様を知れ!地元密着営業にかける
 
株式会社 千葉測器
     中村社長に聞く
 
 明治以来の日本の測量方法が、世界共通のものに変わったのは意外にも、ほんの2年前。現在、国内の測量業界は大きなターニングポイントを迎え、測量機器やそれらの関連機器を扱う側にも、大きな変革の波が訪れています。そんな中、創業55周年を迎えた株式会社千葉測器の中村社長にお話を伺いました。
 
‥‥‥創業当初のことを教えて下さい。
 敗戦で焼け出された私の父親が、昭和23年佐倉で事業を始めたのが最初です。戦前は満州への輸出を中心とした測量機器販売会社でした。しかし戦後まもない千葉は、まだまだ測量機械をどんどん買ってもらえるほど豊かではなく、父もずいぶん苦労したそうです。やがて千葉市にも川崎製鉄や東京電力のような大手企業が進出して来ると、一気に測量機器関連の需要も増え、当社の売上も徐々に上向いてきました。
 そこで昭和30年、会社を佐倉から県都である千葉市に移しました。現在の京成千葉中央駅前にあった公園に面した、約30坪の小さなお店をスタートさせましたが、小さな敷地では車が入り切れなくなり、昭和41年に現在の都町に移ってきました。当時、この周囲はまだ一面田んぼで、道路は鋪装されておらず、のどかでしたよ。窓から釣り糸を垂れるとエビガニが釣れたもんです(笑)。

‥‥‥測量機器からOA機器の取扱いまで、どのように展開されたのでしょうか。
 何かを測量すれば、次にそれを図面に起こすための計算機が必要になる。計算したものを図面にするために製図機械が必要になる。製図したものを何枚か提出するには複写機が必要になる…そういったニーズに応えながら、取扱い製品を増やしてきました。気がつけば時代は移り、OA機器の市場が爆発的に膨らんで、いつの間にか測量にもコンピューターが欠かせなくなって周辺機器も激増しました。それらを使うためのソフト開発にも取り組まねばなりませんし、それを使う顧客にはサポートサービスも欠かせない。ハードを売ってもソフトを売っても、技術サービスは不可欠です。当社では外注は使わず、事業の柱である販売、技術サービスとソフトのサポート、それら全てを直接社員がやるようにしています。卸売りもやっていません。直接販売、直接サービス、直接サポートが原則ですから、コストも抑えられますし、お客様の要望もストレートに伝わって来ます。トラブルが起きても素早く対応できる。その一方で、そのぶん人件費というリスクを抱えるわけですが、それを承知の上で事業を続けるのが当社の信念ですね。

‥‥‥いわゆる測量(土地を測る)以外の測器としてどんなものを取扱っていますか。
 風速計や水位計など、農業を守るための気象観測機械や、また最近増えているのは地震予知など災害予防のための観測に使われる機器の需要です。一般の方に身近なものとしては冬場、鉄道のパンタグラフが凍結しないように気象条件を観測して保線区に警戒信号を流す機器や、競馬場で馬場が凍結してしまうと馬が脚を傷めてしまうので、ある一定の気象条件になったら警報を出すという機器もあります。普段はなかなか目にふれることがない分野ですが、測器の大切な一面と言えます。

‥‥‥主にどういった営業方針をお持ちですか。
 現在では様々な周辺機器を総合的に取扱うようになり、技術サービス拠点も増えました。千葉県内23ケ所と、茨城の土浦、東京の江東に営業所を設けています。顧客から「直しに来てくれ」とお声をかけられたら、どんなに遅くとも1時間以内に駆け付けられる距離感にあります。社内では「地域密着営業」と称して、顧客と密着した形で、ひとりひとりの顧客をよく理解して営業させていただいています。現在、地元の中堅企業の皆さんを中心に、約3万社とおつき合いさせていただいています。営業社員が苦心するのは、ただ良い商品を売るだけでは通用しない点です。そのお客様が喜んでいただけるような使い方を提案する、ソフトソリューションが必要になってきます。それにはお客様の事業内容をよく理解しないと。ですから社内では「お客様のお客様をよく知りなさい」と言っています。お客様が、どういうお客様とお取り引きしていらっしゃるのか。それがわかって初めてお客様の事業内容を理解したと言えるんです。顧客先の会社が繁栄できるような内容を提案していかなければなりません。
 そういった意味でも、外注には任せておけない、ということになりますね。納品した機械のメンテナンスをするということは、お客様にいつもベストな状態で使っていただける状況を作る、ということですから。

‥‥‥今後、どういった分野を開拓しようとお考えですか。
 極端な話、365日24時間のサポートがあれば、お客様には喜ばれるでしょう。それを実現させる時が、そろそろ来ていると思います。もちろんまだ考案の段階ですが、土日や夜間でも稼動しているお客様は少なくありませんし、終夜営業の業種もずいぶん増えています。ずいぶん以前から駐車場管理なども行なっていますが、24時間営業の場合は警備会社に委託しているのが現状です。いずれは交替制でそうした時間帯に自社で全て対応できるようにと、そのための社員教育も始めています。
 また今後はセキュリティ分野の需要も増えてくるでしょう。例えば個人商店などで、住まいの一画に店舗や事務所を構えていたり、1階が仕事、2階が居住スペースといった場合の、簡便でローコストながら確実な防犯システムを開発中です。侵入者に対し、音と光で威嚇するもので、まずは私共の営業所に設置して、すでに成果を上げています。通常、何か異常があれば警備会社に連絡が行きますが、このシステムでは自動的に、従業員の携帯電話や、家主さんの固定電話に連絡できるため、コストは抑えられます。
 近年は商店街などで防犯カメラを設置するのも珍しくなくなりましたし、私共がこれまで取り組んできた技術が活かせれば、防犯能力の向上に貢献できると考えています。

‥‥‥若い世代の人材育成についてはいかがですか。
 ここ20年程、毎年定期的に大卒、高卒の社員を募集しています。当社はサービス業ですから、お客様にお目にかかりながら仕事をするわけで、まず人が好きでなければ駄目ですね。特に営業職に関しては、学校の成績の良し悪しではなく、向き不向きがありますね。それはその人の感性の部分です。募集にあたっては、営業と技術とソフトの開発という異なった職種には適性のある人材を採用しています。
 営業の者は商品知識、技術の者はネットワーク、サポートの者はソフトにまつわる広い認識…常に勉強が欠かせません。ですから、自社の研修所では毎週のように"オープンカレッジ"を開催し、勉強会や様々なセミナーが繰り返されています。メーカーから講師を呼ぶ場合もありますが、できるだけ社内のベテランの社員たちが先頭に立って教えるようにしています。
 どんな業種でもそうかもしれませんが、販売会社というものは突き詰めて考えると結局は「人」なんですね。「経営は教育なり」と考え、特に優秀なマネージャーを育てるための管理者教育には力を入れています。
 近年は取扱う商品の変化が非常に早く、しかもシステムとして総合的に考えなければならない。それに対応するには、商品知識はもちろん、テクニカルな部分での判断力を高められるような教育が求められます。ハードとソフト、両方に詳しくなければいけませんし、社員たちには大きな負担がかかっています。これからはいかに低いコストでお客様の満足感が得られるサービス体制を作れるかが、今後の課題と言えるでしょう。

 
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