経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.27】
 
 「情報」という名のサービスで、次代を切り開け!
 
       情報通信システムで、企業をサポートする              
 
株式会社ベイキューブシー
     水上社長に聞く
 
 目まぐるしいほどのスピードで進化し続ける現代の情報社会。様々な企業の戦略もデータ次第で移り変わる…そんな時代を担う、情報サービスという分野で躍進する「株式会社ベイキューブシー」の水上社長にお話をうかがいました。
 
‥‥‥情報サービスとは、具体的にはどんな業種なのですか?
 今はソフトの開発がメインで、一つはアメリカのハイペリオン社と業務提携しています。主に経営分析のソフトのカスタマイズですね。例えば何か商品を生産する時、世の中の動向を予測するためのシステムを構築することが、大企業であるほど必要とされます。今年の夏の気温は平年より高かったですね?
 実は、それは昨年のうちに暑くなると予測されていて、ビール会社はそれに沿って、材料をどのくらい買い付けするか、工場のラインをどれくらい稼動させるか、そして商品をどのくらい出荷し、トラックは何台必要で…といった計画まで、これまでに蓄積されてきたデータを元にして計算するんです。その計算なしに漠然と生産して、急に暑くなって莫大な注文が来ても対応できないし、逆に冷夏になれば無駄が大量に出てしまう。さらに世間の流行や為替の変動…それらを総合的に分析して、お客様用にカスタマイズしたものを提供するというのが、当社の差別化の一環としての業務となっております。

‥‥‥世の中の動向をとらえるのは難しいのでは?
 例えば、話題の本やベストセラーをたくさん出している出版社が、どんな本が受けるのかを予想する時、昔なら勘と経験に頼るしかなかった。これには"しがらみ"が付いて回り、しかも変化を認めない形でした。そうではなく、データに基づいて売り上げを上げる。伸びている会社は、ただ伸びているんじゃないんです。運や偶然でもない。大きな会社であるほど、データを分析し、裏付けし、予測するシステムを元に商品を世に送りだしている。それほど、情報は大切なものです。最近では生産管理から税務、会計まで総合的に、コンサルティング的な要素をもったシステムが必要とされるようになってきました。集めた情報・データをどう見るか、どう活かすか、というシュミレーションが要求されています。
 データというのは過去の蓄積です。有能な社長さんやオーナーだけが持っていた特殊な予測能力が、データ化によって、それ以外の人たちも共有できるようになりました。
コンピューターの処理能力やキャパシティが飛躍的に伸び、戦後一番安くなったのは、パソコンと卵とバナナです(笑)。ですから中小企業にも同じようにチャンスが回ってきているのです。
 私たちはすでにそれを利用しないと生活できないような時代を生きています。どんな業種も、何らかの形で関わっているんです。例えばコンビニエンスストアでは、4万点ものアイテムを扱っています。POSレジシステムでピッと入力され、その日の何時頃に何が何個売れたのかが自動的に集計される。レジに入った情報を持っているデータ会社には、メーカーさんが血眼で飛びつきます。メーカーさんが一番欲しいものは、どの商品がいつどこで誰に売れるのかという情報。それで企業の戦略が決まってくる。情報がお金に直結するんですね。日常生活の中に知らず知らずにデータが飛び回っているのです。また高校生がアルバイトできるのはITのお陰です。4万点もの値段覚えられないですものね。

‥‥‥社員教育についてはいかがですか?
 通信技術の進化や移り変わりは凄まじく、それも消費者の「こんなのがあったらいいな」「こういうことも出来るんじゃないか」というニーズ、情報からスタートしている。それを引っ張って行くには、その前を走らなければならない。この業界、どうしても人が全てです。いい人材を採用し、育てることによって、人材が利益を生みます。口で言うのは簡単ですが実行するのは難しいですね。
 コンピューター関係の仕事は「知識」よりもまず「知恵」や「発想力」です。知識は誰でも覚えることができますが、発想やアイデアはそうはいきません。例えて言えば、知識=ハードディスク。書き込めばどんどん記録するけど、それを使うのは人間であり、人間の「知恵」なんですよ。
 業務内容はものすごくバーチャルな世界ですが、人間関係においては同じシチュエーションを共有するような、実体験を共にする場を大事にしないといけません。社員同士がみんな個人主義になって、隣の席で何やってるのかも全くわからない状態では、助け合いや協力、コミュニケーションも何もあったもんじゃない。やっぱり基本は人間をベースにして物事を考えないと、何をやってもダメですね。そのへんは、どの業種でも同じだと思います。

‥‥‥デジタル技術を扱う仕事で大切なことは何ですか?
 どんなにインターネットやメールが発達しても、結局仕事上で契約する時には、人対人、顔を合わせてするもの。最後はそこに帰ってくる。やっぱりそれが大切です。人と人とのふれあいや、ぬくもり、信頼。直接顔を見れば、表情や顔色、人間性が出ます。どんな最先端のデジタル技術や情報通信も、データや数値も大事ですがそれ以上に、アナログ要素が無いとダメですね。そして人としての魅力を持った上でのビジネス。そのバランスが大事。どっちかが100とかゼロでもいけません。
 どんなにいいデータがあっても、それを作った人、使う人、薦めてくれる人が信頼できなければ意味がない。「あの人が作ったデータだから」と言ってもらえないと。ちょっとした思い入れや感情の部分というのはあなどれません。デジタル化が進めば進む程、人間性が求められると思います。高い店と安い店があって、いい商品があったとしたら、売ってくれる人の人柄が気に入ることで「高いけど、あの人から買いたい」ということがあるように、人柄は重大な付加価値であり、それこそが商売というものだと思います。

‥‥‥社長に就任されるまでの経緯を教えて下さい。
 大学を卒業して、CSKという会社の面接に行ったら、社長が自ら出て来て、これからはコンピューターの時代だから…と蟹みたいに口から泡を出しながら喋っている(笑)。
そのくらい一生懸命なんですよ。その話を聞いているうち、ああそうかなあ…なんて気持ちになり、アンケートに記入して家に帰ってきたら、もう「内定しました」の電報が届いていた(笑)。それが大川社長との出会いで、私はその後3年間くらい、24時間稼動するコンピューター管理の夜勤をやりました。1日働くと翌日は夜勤明けで休みだし、最初は何て楽なのかと思いました。でも夜勤ばかりでいいのかな?と思うようになり、会社を辞めてもっと大きな会社に行きたいと思い、会社の業績も伸びている時期でしたが、そのうち辞めることばかり考えるようになり、求人広告の入る日曜の新聞が大好きでね(笑)。でも自分にはそんな力はないと考えるようになり、大川社長の上場して社会に認知されるんだという夢に共感するようになりました。すでにCSKも上場し、CSKの看板を使っていい、CSKが半分お金を出すから会社を作らないかという話が出たのが90年。社員の中で先に手を上げた者が勝ちで、それなら私に千葉でやらせて下さいと手を上げたんです。社長としてどうにかやってこれたのは、自分の能力は3割、残りの7割はどういう人と出会ってきたか、つきあえたかですね。神様は人間には平等にチャンスを与えてくれます。問題はそれが自分にとってチャンスだと気が付くかが境目ですね。
 大川社長には、社長になるなら3つのことを肝に命じろと言われました。1つは、いい技術・製品・人材があっても、それをお金に変えなかったら意味がない。2つ目は、トップになれば必ず、矢面に立たされる。すべての責任は社長である。常に非難される。悪者になるのが嫌なら、トップになるな。3つ目は健康でいろ。自分だけの体じゃない、生かされているんだと思え。これを教訓に、これからも頑張っていかなければいけませんね。
 よく社員に言うんですが、20代のうちはあまり給料のことは言うな。若いうちは自分に投資しろ。30代は会社に自分の技術を売れ。40代は会社の人と物と金を使って、倍にして返せ。50代は人脈。それまで積み上げて来た人間関係を活かせ。60代は新しいチャレンジ。70代は地域に貢献する。80代は生まれ故郷の山を見ながら、ぽっくりと死ぬ(笑)。
私はもう50代ですから、人脈を活かさないと。30才で結婚して、40才で会社を作りました。そして50才で古いおんぼろ家を建て替えました。節目節目ごとに大きなことをやり遂げられましたから、60才で株式上場したいですね。そして80才で大原の田舎で陽だまりの中、ボケない程度に女房とゆったりした時間に包まれて穏やかな残りの人生を過ごしたいですね。田舎の商工会議所の会頭にと言われても・・・(笑)。これが理想の人生ですよ。
 
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