経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.33】
 
 幕張新都心に、12店目の拠点がオープン!
 
     
  「おかげさまで千葉で創業50周年・・・
        21世紀型インテリア家具ショップをROOM DECOで展開」
 
           
 
株式会社かねたや家具
     萩原社長に聞く
 
 今年4月15日、インテリアショッピングモール「ROOM DECO幕張新都心店」をオープンさせた、株式会社かねたや家具店。千葉で創業50年、トータルインテリアの家具店として生き抜いてきた「Room Decoかねたや」を、萩原徹雄社長に語っていただきました。
 
‥‥‥●4月19日の「Room Deco」開店披露記念セレモニーは盛大なものだったとか。
 千葉に本社がある会社が、幕張新都心に入るのは大変でした。東京に本社がないと、もっと言えば世界に店を出していないとダメだと言われ続け、ようやく今年、実現しました。「Room Deco」ではテナントさんも含めて統一感のある店づくりが出来たと思います。千産千消的な"食"や環境にこだわった、大人の感覚の飲食店も入り、ビジネス街の中で、ヨーロッパの街並のような感性を持った場所として、街づくりの一端を担えればと思います。
 開店セレモニーにはデンマークのフレデリック皇太子も御臨席いただきました。以前より当社もデンマークはじめ、欧米など海外の優れた製品を輸入してきましたが、やはり家具と言えば長いこと北欧が主流だったのです。


‥‥‥●世界の家具業界は、どんな流れを経てきたのでしょうか。
 昭和50年代前半から、イタリア家具が台頭してきました。北欧の家具が並ぶ中に、イタリア製の真っ赤なソファが置いてあったのを見て「こんな奇抜な家具を一体誰が買うのかね」と誰もが思いました。しかし今では家具と言えばイタリアがナンバー1。デザインの素晴らしさはもちろんですが、イタリアの革製品は、細かな工程をそれぞれ違う工場、職人にまかせ、そこでは何百年にわたって、代々その工程だけを作り続けています。鍛冶屋の子どもは鍛冶屋で、優秀な技術を受け継ぎ、それはどんなに器用な日本人が、どんなに高い技術を持ってしても、絶対に叶わないですね。
 世の中の流れも、最終的にイタリアンモダン・デザインへとシフトしていきました。もちろん日本にも大量に輸入され、その大半のシェアを占めるナツジ社から、当社は日本最大の取扱い会社として直輸入させていただいています。



‥‥‥●社長の修行時代のことを聞かせて下さい。
 私はもともと銀行出身。家具屋の娘と一緒になった縁で、全く畑違いの人生を歩んできましたが、私が家具屋に入ったのは1ドル360円の時代です。それが1ドル170円くらいになって初めて、日本に欧米の家具を輸入できるようになったんです。最近は年10回程、海外に行きますが、昭和48〜49年頃、海外に行く日本人なんてほとんどいませんよ。
 理解ある先代が「世界を見なければダメだ」と行かせてくれたことに感謝しています。当時、家具屋に入った者は皆、ドイツ・ケルンの家具展示会に出かけ、日本の家具メーカーの社長は北欧で丁稚奉公して技術を学んだものです。



‥‥‥●不景気と言われる中、千葉の家具店として生き残ってきた秘策は?
 我々が何とか生き残ってこられたのは、国内の一流家具を千葉県に取り込めたから。千葉はデパートさんが家具に力を入れていなかったため、東京では大手デパートさんが扱うような家具を、運良くうちで取扱えたんです。いいメーカーのいい製品は利幅は上げられず、儲かりませんが、それを一生懸命売ってきたおかげで「かねたやで買えば、安心して使える」と言っていただけるようになりました。
 もうひとつは、本当の意味で海外から直接仕入れできているということ。そういう家具屋は、実は国内にうちを入れても4社くらいなんです。それと銀行が融資してくれなければ、いくら頑張ってもダメです。以前は北海道にいい材料があって、旭川に大きな家具工場がたくさんあった。バブル崩壊後、拓銀が無くなって地場産業が全滅し、旭川の家具メーカーの95%はつぶれ、今残っているのは1社だけです。千葉ではちばぎんさん他銀行さんが優秀なおかげで、無事に産業が成り立っているんです。ありがたいことですね。


‥‥‥●現代の日本人のライフスタイルにおいて、家具とはどんな位置を占めるのでしょうか。
 日本はヨーロッパの3年遅れだと言われます。家具のデザインは、ヨーロッパで3年前に流行ったものが、今ようやく日本にたどり着く感じです。日本も自動車や家電などは世界の先を行くのでしょうが、住環境だけはいまだに保守的で、男が家にいない社会構造を反映しているようです。
 ただ、バブルが崩壊後ようやく、旦那さんが外で一杯飲めなくなり(笑)、家に早く帰ってくるようになって室内が見直され、海外のライフスタイルに近づきつつあるようです。そんな流れに今回、当社でもやっと追い付いたのが国内外の厳選家具を集めた「Room Deco」。少々おこがましいかもしれませんが、我々としては"啓蒙"という意味で、海外の優れたデザインの家具を入れ続けて来たことが、ようやく軌道に乗って来た象徴です。「Room Deco」(Room Decorationの略)は会社としての主張を持たせる意味で、名付けました。ひとつのコンセプト、統一性を持って部屋を飾るというモダンカジュアルを切り口にしたテーマで作りたかったんです。



‥‥‥●昔ながらの婚礼セットなどはどうですか?
 婚礼セットは、クローゼットに取って変わられました。日本の収納は押し入れを洋風化させて、マンションでも戸建てでも部屋の隅にただパイプを通し、扉をつけてクローゼットと呼んで、その言葉だけが一人歩きした。でもあんな貧しい収納は、実は世界中、他にないんですよ。
 洋服ダンスには本来、内側にちゃんと桐を使うなど、湿気や害虫から衣服を守る力がありましたが、ただ窪みに扉くっつけたって、欧米の本物のクローゼットとは違うんです。実際、ヨーロッパでも洋服ダンスは使われていて、住宅の収納はとても優れています。衣服の保存のためにはきちんとタンスに収納する方がいいんですよ。
 今年8月には「Room Deco」店内に「CASA ITALIA」と銘打ったスペースをかなりの面積を使って作り、そこで本当の意味の収納をお客様に提案したいと考えています。
 ヨーロッパ、特にスカンジナビアやイタリアのモダンなどを視野に入れた提案型のギャリーで、これがやりたくて「Room Deco」を作ったようなものなんですよ。



‥‥‥●いつか日本のインテリアも欧米に追い付けるでしょうか?
 私が30代の頃から「これからは必ずインテリアの時代になる」と言われて来ましたが、そのうち多くの家具屋がつぶれ、私も60歳を越えました(笑)。自動車もテレビも洋服も全部揃って、次は家具の時代だと言われながら、その対抗馬に男の飲み屋がありまして(笑)。もっともバブル崩壊後、男の飲み代は女性陣の旅行代に回っているようです(笑)。奥様方には世界で目を肥やしてもらい、帰国後に自分の家を見て、いろいろ考えて欲しいですね。
 かつて家そのものが貧しい時代、我々の子どもの頃は家具どころか、ちゃぶ台やミカン箱がせいぜいでした。欧米の人だって若い頃はお金がないから、結婚する時には身のほどに合った家具を買い、年齢を重ねていって本当にいいものを買い揃えていく。ただ今の若い方は本当に目が肥えていて、自分の主張も知識もあるので、いいものをちゃんと選びたがる方がすごく増えて来ましたね。


‥‥‥●社員教育はどのようにされていますか?
 毎年、外部の講師を呼ぶなどして、新入社員に対しては定期的に研修を行ないます。人間としての一流を目指せと繰り返していますが、なかなか難しいですね。
 家具を売る、こんな素晴らしい職業は無いんですよ。まず子どもが生まれた時、学校に上がる時、就職、結婚、家を建てた、引越しした…そんなお祝い事、人生の節目や転機の時に、それを追い掛けて行く職業なのです。その節目に、こういう生活をされてはいかがですかという提案をする仕事であり、提案をする義務がある。世界中のいいものを提案することが、今後も我々の使命だと思っています。


 

 

 
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