経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.37】
 
 千葉市蘇我球技場ついに誕生!
 
     
  「ジェフユナイテッド、千葉市民とともにキックオフ!」
      
 
           
 
株式会社東日本ジェイアール古河サッカークラブ
     淀川社長に聞く
 
 ホームタウンを広域化して3年目。蘇我の新スタジアムも完成し、今月16日にオープンします。チーム名を「ジェフユナイテッド市原・千葉」として臨む、記念すべきシーズン。「WIN BY ALL」というキャッチフレーズのもと、タイトル獲得へと走り出します。自らも選手経験を持つ淀川社長にお話をうかがいました。

 
‥‥‥●創立以来、地域密着型のクラブ運営に尽力されているそうですが?
 アメリカでは、プロ野球のチームを誘致するのに、試合の観客動員まで面倒を見るそうです。またヨーロッパでは、サッカーチームというものが市民とともに200年もの歴史を持って歩んできています。広場にはサッカーゴールがあるのが当たり前。そこでは強引に観客を動員するなどという苦労とは無縁でしょうが、かたや日本では「地域密着型のクラブ組織」というものが、急速に立ち上がってきたわけですから、まだまだ課題が多いですね。私どもとしても、千葉市の皆さんにより親しまれ、誇りが持てるクラブにしていきたいと思っています。
 ヨーロッパ型の地域密着というのは、サッカーに限らず、様々なスポーツを好きな人たちが集まって、プレーした後はちょっとパブで一杯飲んでと、そういうところから始まっています。メンバーには上手下手があって、その中からプロの選手が生まれていく。ならば、それ以外の人たちはサッカーを楽しまなくていいと言うわけではなく、アマチュアも長いこと、地域で楽しんできた歴史がある。つまり、純粋にサッカーを好きな人たち、特に子どもたちと親しんでいくことを抜きには考えられないんですね。もちろんそれが動員につながればありがたいことですが(笑)、そういった直接的な効果だけではなく、いかに地域に理解を得ていくかだと思います。



‥‥‥●普及活動などはどのようにされているのですか?
 現在、ジェフには2つのサッカースクールがあります。市原市の「辰巳台スクール」では270名ほど、ジュニア男子からミセス、シニアも参加しています。「習志野スクール」ではジュニア男子に加え、少女サッカー(中学生)、そしてLリーグの2部に所属している女子チームが活躍しています。
 また巡回活動もしています。2002年から保育園や幼稚園、小・中学校、クラブチームや養護施設などを「サッカーおとどけ隊」のコーチが無料で訪問しています。市原市と千葉市、その近隣で、地域社会の中で保護者・指導者・おとどけ隊が三位一体となって、子ども達を育てていくための機会を提供し、子ども達には遊ぶことの楽しさ、自らの力で学ぶことの楽しさを知ってもらえればと考えています。
昨年は200カ所ほど周り、コーチの指導方法など大変好評をいただいています。こうした地道な活動こそが、地域の皆さんへの最大のアピールになると思っています。




‥‥‥●千葉市内にスクールはないのですか?
 もちろん今後は、ホームタウンである千葉にも拠点を作りたいのですが、ただ場所があればいいわけではなく、そこには管理者も必要ですし、いろいろ付帯設備の準備もしなければいけません。また子どもたちが通いやすい環境も必要です。交通の便は、周辺住民の理解は…全てをクリアするのは難しいですが、ぜひ開設したいと思っています。
 どんなスポーツでも、プロ選手の存在は非常に華やかですが、それはごく限られた、ひと握りの人たちでしかない。競技者として一流になるのも、ひとつの大きな目標でいいと思いますが、それが全てではないんです。サッカーというスポーツを媒体として、健康づくりとか、家族や地域のコミュニケーションの場とか、様々な効果が考えられるわけで、もし場所というハードさえご提供いただければ、管理面、ソフトの部分は我々におまかせ下さっても結構です。





‥‥‥●選手の育成についてはいかがですか?
 ジェフの強みのひとつは、下部組織の中から自前の選手を育て、トップの成長に結びついているという点です。現在も、生え抜きの選手が活躍しています。今は阿部、山岸、佐藤、工藤など8人の選手がおりますし、それに次ぐ者もたくさんおります。ジェフから外のチームに飛び立っていった選手も含めますと、Jリーグ随一だと思いますね。
 今でこそ、日本の選手がヨーロッパで名を馳せることも珍しくなくなりましたが、もとは古河電工にいた奥寺選手、私のひとつ年下でしたが、彼が先駆者でしたね。日本人の優秀な選手たちが、いずれ指導者として羽ばたいてゆくことを期待しています。トップで頑張っている者は代表となって世界へ出て行く、やがてリタイア後は、日本でコーチとなり、自分の育ったチームで後輩たちを教えるというステップを踏んで、さらに海外のチームで監督を務めるまでになる…そういった中に、ジェフが足がかりとして存在してほしい。そんな循環型の、世界のサッカー界の一員を構成できるような組織でありたいと願っています。




‥‥‥●社長ご自身も、選手のご経験があるそうですが?
 私は古河電工のチームでゴールキーパーでした。私自身はともかく、周囲には有名な選手がたくさんいました(笑)。私は引退後、古河電工で営業として勤務して、普通に電線を売っていましたよ(笑)。コーチの勉強もしてはいたんですが、社業に専念する道を選びました。縁合って、ジェフの社長にというお声がかかり、現在に至るわけです。
 チームとしての優勝というのは、なかなか難しいですね。実力があっても、運が悪ければタイトルは取れない。しかし優秀な選手の移籍がある中で、よく頑張っていると思います。世界的に有名なチーム、例えばレアルマドリッドだって、常勝かというとそうではないし、それがサッカーの面白いところでもあります。ですが、やはり悲願のタイトルを狙って、勝ち抜いて欲しいところです。ナビスコ杯や天皇杯といったトーナメント戦は、短期決戦ですので何度か勝ち抜いているのですが…。




‥‥‥●ついに蘇我のスタジアムが完成しましたが、いかがですか?
 千葉市内で試合が行なわれるようになり、圧倒的に利便性が良くなります。当然、今までよりもお客様の数は増えると思いますし、我々の活動に賛同いただける地域の企業さんも増えて下さることと思います。ぜひホームタウン千葉でも、周辺の方々に熱烈なサポーターになっていただきたいですね。私は本当に、ジェフは日本で有数の素晴らしいサッカーを見せていると自負しています。オシム監督は実にエキサイティングなサッカーを観せてくれます。これを見ないのはもったいない!どうして観に行かないの!と、声を大にして言いたいですね。蘇我のスタジアムは駅からも近く、人口が集中している市街地にありますので、大きな期待を持っております。実際に観に来てもらって初めて、この試合がジェフなのかと、しかもこのチームが我々の街をホームにしている、自分たちのチームなんだと、実感していただきたい。私を含め、社員一同も大きなターニングポイントだと、はりきってております。お金を出して、時間を割いてスタジアムに来ていただくに充分に足る、そんなサッカーを観に、ぜひ一度、足を運んでみて下さい。
 


‥‥‥●サポーターと選手が一体となって盛り上がるのが楽しみですね。
 中央区の人口が約18万人。その10%でも、新スタジアムは満員になります。ジェフと千葉市の共催で、10月16日に1,016人を招待します。
 千葉市にはオープン時だけでなく、今後も何らかの形で支援を続けていただければと思いますね。地区ごとに、それこそ絨毯爆撃的に招待していただいて、これは凄い、もう一度観てみたいという人が2人でも3人でもいれば、それでいいと思うんです。新スタジアムは、サイズはコンパクトですが、そのこじんまりした空間に、市原でずっと熱い応援をしてくれたサポーターたちが駆けつけて、彼らの声援が響き渡るのが、今から楽しみです。私も選手時代に経験しましたが、試合中に名前を呼んでもらうだけで、物凄く力が出るんですよ。全然違うんです。武者震いしますね。これは下手なことは出来ないぞと(笑)。へばってきても、頑張れるんです。そういうものです。
 W杯は、日本開催後、かなり皆さんに認知されましたが、今年からは世界クラブ選手権が日本で開催されるんですね。6大陸の代表が戦うものなのですが、ここで勝ち進むと、世界のチャンピオンと対戦できる。国籍に関係なく、クラブ同士の戦いです。ジェフもいずれ、そこに出場するのが夢ですね。まだまだ遠い夢ですけども…。

 

 
 前のページに戻る
  Copyright (c) 1998 Chiba Chamber of Commerce & Industry. All rights reserved.