経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.39】
 
 電機とシステムの総合コンサルタント
 
     
  「売る、創る、買う"喜び"を追求したい」
      
 
           
 
福井電機株式会社
竹内社長に聞く
 
 創業59年。近年の急激な技術革新に伴い、新たなサービスやエネルギー問題などが続々と生まれつつある21世紀。ニーズの高度化、多様化、スピード化の中で、豊かな社会環境と地域産業の発展のために尽力してきた福井電機株式会社の竹内社長に、お話をうかがいました。
 
‥‥‥●創業当時からの変遷をお聞かせ下さい。
 戦後間もない昭和21年、創業者の福井孝太郎が、出身地の銚子で、日立製作所の特約店として株式会社田辺商会を興しました。
 戦前、日立製作所は兵器も一部作っておりましたが、これからは兵器産業でなく、平和産業への転換だと、それまで銚子で弾丸を作っていた田辺鉄工所が、日立製品の販売を千葉県内で始めることになり、それが創業となったと聞いております。当時、日立の特約店として誕生した会社が関東近辺で6〜7社あって、その中のひとつが私どもだったわけです。その後、会社名はグループ内で何度か分離や合併を経て、昭和35年10月に、重電機関係の部門が分離し、福井電機として千葉の新田町でスタートしました。
 私は昭和34年に福井商会に入社し、1年後に重電機部門である福井電機に移りました。社長としては5代目で、就任してからは3年目です。現在、本社は問屋町、営業所は銚子、柏、茂原、成田、県外では茨城の水戸にあります。





‥‥‥●特約店としての出発、扱う品目はどういったものでしたか?
 やはり日立ですから、扱うものはモーターが基軸でした。戦後しばらくは亀戸に工場があって、モーター類はそこで作られていましたが、今は公園や都の施設になっています。
 当初は家庭用や灌漑用ポンプが多く出ていたようですね。それからテレビや「白モノ」と言われた冷蔵庫、洗濯機などの家電が出て来ましたが、時代とともに急速に普及し、その波に乗ることができました。
 福井電機で扱う品目はコンプレッサーや大きなポンプ、発電機、荷揚げ機器などでした。当初はそれらの販売が主力でしたが、その後、千葉でも上下水道の整備が始まり、上水道工事を手掛けるようになったんです。千葉市では土気地区を私どもが手がけました。日立製品の卸販売から始まって、その機器を使った設備業に移行していったわけです。現在の比率は卸、小売と設備が半々くらいです。





‥‥‥●設備業も時代とともに伸びて行ったのですね。
 その後、冷凍機、空調関係の製品や設備が登場し、家庭用はもちろん工場など業務用として、職場環境の改善を目指して設置されるようになりました。これはもう建設業の一部、いわゆる住宅設備業ですね。近年ではビル内の諸設備も多く手がけています。業界で言う「箱もの」は今、主にマンションですね。エレベーターやユニットバスなどは戸建て住宅の方もやっておりますが、高齢化やバリアフリー化にともない、ホームエレベーターや床暖房などの需要が伸びています。ちなみに商工会議所さんのあるツインビルのエレベーターも、私どもでやらせていただいたものですよ(笑)。
 また食品の保存のために、これも家庭用はもちろん、業務用の大型冷蔵、冷凍庫というものが出て来ました。さらに近年では工場内の空調設備の充実が計られ、精密機械製造や医療業界などでは雑菌の混入防止のためのクリーンルーム、食品ではHACCP(ハセップ)に対応するといった設備も手掛けるようになっていきました。







‥‥‥●設備業と販売、それぞれどういった取り組みをされていますか?
 実は現在も、卸売り業とともに工場などへの直販、小売りもやっています。その上で設備業として工事もやるということで、様々なセクションが混在する、複合的な企業として、業務はますます多様化しています。
 販売では何しろ扱い品目が多く、在庫は物流センターの方を含めて約3億円ほどあります。少量多品種なんですね。今は家電ですと、薄型テレビの拡販に力を入れています。
 設備の仕事では、設備工事はもちろん、システムの効率化や省力化、設計・施工、保守管理までをトータルに提案しながらの営業となっています。そこでは日立以外の、他社の製品を組み合わせての施工もあり、また設置後10年、15年たつと機械のメンテナンス、あるいは新たな機種に入れ替えていくわけで、それまでよりも省エネ、省力化、小型化した高性能なものを提案していく。ですから設備業は、お客様とかなり長いおつきあいになりますね。
 近年は特に、家庭やオフィスでも、家電から照明器具まで、全てが省エネルギー化し、環境に負荷を与えない製品が普及してきました。当社でも、照明器具の消費電力を抑えたところ、この本社社屋の700坪で、月に約9万円の節約になりました。当然、初期投資は必要ですが、ランニングコストで見れば数年で償却できるわけです。
 平成12年には、ISO9001を取得しました。これはお客様からの信頼を得るため、また社内業務の効率化のためには不可欠でしたね。





‥‥‥●社員には、どういった採用基準がありますか?
 業務が徐々に多様化し、販売だけではなくなってきて、工業系の学卒、工事や設計の技術を持ったエンジニアを採用してきました。資格取得者にはその重要度に沿った手当てもつけますし、入社後、資格取得のための費用は会社で持つようにしています。主に建設業としての、電気工事の施工管理1級や、管工事の1級などが該当します。
 社員の平均年齢は39.6才と若く、現在は仕事の評価において、学歴や年功はほとんど影響しません。年功は、45才以降くらいからは生産性に見合った実績で評価します。社内から自然に生まれたもので、暗黙のような形で決まってきたのですが、世の中の流れもそういう方向なのだと感じています。
 経営の状態は常に、社員全員にオープンにし、部門別の成績は、月毎に発表されますので、社員にとってはかなり厳しいと思います。とにかく風通しのいい会社にするためなのですが、成果が数字で表わされ、自分の部門が赤字だったりすれば、もうボーナスの話なんか出来ません。しかし、逆にやればやっただけの成果が得られるという意識を持ってもらうため、必要なことだと思っています。浸透するには時間がかかりますが、一般の企業や行政機関でも、こういった動きが常識となってきました。そうしませんと実際、会社は生き残れません。今の時代、企業は5年も怠っていれば確実に潰れてしまいます。とはいえ、私自身が甘いところがあるのでしょうか、社員には厳しいことを言いますけれども、実際はまだまだなのかもしれません…(笑)。






‥‥‥●今後の展望をお聞かせ下さい。
 やはりお客様に信頼され、愛され、可愛がっていただけるように、地域社会へ貢献を果たすということが当社の永遠のテーマです。創業者が残した社是、「誠実と責任、積極進取、顧客第一」を基に「3つの喜び(売る、創る、買う)を実現する」ことです。売るは販売、創るは設備、買うは仕入れ(卸)、つまり発注して、いいものを仕入れる喜びです。この3つを追求し、顧客から信頼され、愛されて、地域社会に貢献できればと考えています。これは折に触れ、社員に向かって話すようにしています。
 できるだけ、若い社員からの意見が上がってきやすい雰囲気づくりにも努めています。職場懇談会は年に1度行っておりますが、普段からフランクに何でも話せる環境を目指しています。
 とかく、何でも計画で終わってしまいがちですが、ぜひ実行力をつけていきたいですね。実際、以前は計画するだけで満足してしまっているところがありました。しかし何とか実行し、その都度チェックをして反省し、次につなげるというサイクル、業務遂行アクションプログラムを実践し、目標達成を目指すことで、この難局に立ち向かっていこうと思っています。

 




 
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