経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.4】
 
 "今日のおいしさ、明日の健康"を目指して56年、
 
地域に密着した乳業メーカーとして
 
古谷乳業 株式会社
     古谷社長に聞く
 
 北海道に次ぐ、日本第2の酪農県である千葉県に本拠を置き、新鮮な原乳を迅速に確保できるという地元の利を最大限に活用し、酪農家との共存共栄を図り(売上の95%は県内の酪農家さんのもの)、業界平均を上回る着実な成長を続けている古谷乳業(株) 代表取締役 古谷健一氏にお話を伺いました。
 
‥‥‥御社の創業から今日までについてお聞かせください
 創業者で私の父(前会長 古谷良作)は、大正3年、山武郡松尾町の農家の三男として生まれました。農学校を卒業すると、伯父の経営する乳業会社で牧場での仕事また販売店(東京都渋谷区)に住み込みながら、牛乳の販売や店の経営を学びました。
 昭和20年8月の終戦を機に、日本はどん底から立ちあがろうとしていました。物資もなく、ましてや食べるものさえ不足していた時代だけに牛乳は高嶺の花でした。
 その頃、私の父は、兄弟と共に家族の生計のため、山武郡成東町の25坪ほどの飲食店だった建物を買い取り、そこで牛乳の製造・販売を始めました。それは、工場とは名ばかりで、建物の隅の4畳に父一家が住み、残りの土間が処理場として使われました。これが当社の発端であります。この時、父は満30歳でした。 
 その後、消費地域に拠点を移すため千葉・市川方面も検討しましたが、とりあえず銚子を拠点とすることにしました。銚子は千葉県の行き止まりですが、古くから漁業と醤油の町として栄え、利根川の対岸は茨城県という、成東とは比べものにならないほど、大きな市場でありました。昭和23年には銚子市に150坪ほどの土地を手に入れ、翌年に銚子工場を建設、操業をはじめました。
 昭和20年代後半からは食生活も向上し、牛乳の消費量も飛躍的に増加していきました。昭和33年には新成東工場が完成、操業開始。昭和39年、千葉市千葉中央地区埋立地食品コンビナートに進出するため5,140坪の土地を取得。
 市場競争が激化する中、昭和42年、千葉工場が完成、本社を千葉工場内に移転、組織の統制を図りました。昭和50年には新銚子工場を新築、稼動させました。
 平成3年には、成田工場を新設して原料の受け入れから品質検査まで、多様な製品に対応できる最新鋭の設備を導入し、フルライン体制を確立させました。成田工場周辺は、わが国有数の酪農地帯でもあり、新鮮な原乳を確保する上で非常に有利な立地条件となっています。平成4年には千葉市美浜区新港に本社屋及び配送センターを新設しました。
 以上が創業からこれまでの大きな流れです。

‥‥‥多くの乳業メーカーがありますが、御社の特徴のようなものをお聞かせください

 千葉県で生まれた乳業メーカーとして地域密着型の経営を貫いています。千葉県は全国でも屈指の酪農県であり、当社の売上の95%は千葉県の酪農家さんの生産したものです。ですから常に酪農家さんとの共存共栄を目指しています。 
 酪農家さんは自分たちの牛乳がどこの販売店で売られているかも分かっていますので、真剣そのものです。また、そういった姿勢が当社にとっても大変ありがたいですね。
 その地元で営業させてもらっているということは、怖いし、嘘もつけない、いいかげんなことは出来ません。
 産地や新鮮さを意識してネーミングも『つくも牛乳』(九十九里海岸をイメージ)、大型瓶シリーズ『かずさ牛乳』として定着し、好評を得ています。
 "新鮮さ"を第一にしておりますので販売地域も首都圏に限っております。
 次に、スーパーをはじめとする大口需要家をはじめ、販売店、学校給食、さらに乳加工業者向けの材料供給など、多彩な取引先、販売チャネルを確立しています。また、いつでも新鮮な牛乳を、消費者の皆様にスピーディにお届けできるよう、流通・販売チャネルの整備・拡充をつねに意欲的に進めております。ミルクレデイ制度もその一環です。

‥‥‥"ミルクレディ制度"の存在と活用についてお伺いいたします
 この制度は、販売店の隙間を埋める新しい宅配システムとして機能しており、近郊の主婦を組織化して、消費者ができるだけ希望にそった時間に鮮度の高い瓶牛乳を配達することができるという、多様化するライフスタイルに対応したきめ細かいデリバリー体制を実現し、好評を博しています。県内はもとより東京、神奈川、埼玉方面(16号線沿い)に販売店をつくりその周辺でミルクレディさんを募っています。少人数の販売店だけでは販売エリアが限られてしまいますので、それを補うミルクレディさんの役割は大切なのです。そのマネージメントは販売店が行っています。

‥‥‥今、食品の安全性が大きな社会問題にもなっておりますが、安全性と品質管理体制についてお伺いいたします。
 今は商品が悪ければ、会社は潰れますね。安心と安全をお客様に供給できなければ、そこで働く人の生活の安心と安全をも失うことになりますので、気を引き締めて仕事に臨んでいます。 
 健康に役立つ製品を取り扱う乳業メーカーにとって、品質管理は最も重要であります。こうした観点から、当社独自の厳格な基準を設定し、安全面では慎重かつ厳しい品質検査を実施しています。

‥‥‥環境問題に対しても十分なる配慮をされているようですが
 そうです。メーカーとしては物を造るばかりでなく、地球環境に関心をもたなけれならないのは当然のことです。当社では、牛乳やヨーグルトの製造・洗浄等の過程で出る汚水を活性汚泥処理してかなりきれいな状態にしてから処分しています。環境対策の面からもリサイクル容器であるビン牛乳の積極的活用をすすめており『大型瓶シリーズ』は当社の技術力を結集して開発された大変意義のある製品です。また、紙容器もリサイクル化に努めています。

‥‥‥最後に、今後の経営方針、営業戦略などについてお聞かせください
 現在、当社は『おいしさ、ふれあい、健康、明日、創造』を企業理念に掲げ、常に高品質の商品をスピーディにお届けできるよう、開発力と営業力の拡充をはかり、人々の健康と豊かな生活に奉仕する企業をめざして、努力を続けております。
 今後の営業戦略としては、老人用乳飲料をはじめとする未開拓市場にも積極的に進出する計画で、将来的には首都圏全域に事業と販売網を拡大していく計画です。そのためにも、牛乳を核とした新しい商品の研究開発体制の一層の拡充を推進中です。
 お客様からの高い信頼を得ながら、"酪農家さんと販売店との共存共栄"をモットーに地場産業として地域に密着し、搾りたてでおいしい牛乳を提供していきたいと思います。
 ストレス社会である現代においては、健康に非常に役だっている食品がアルカリ食品であり、カルシウムの宝庫である牛乳です。日本人で最も不足がちなカルシウムを毎日の牛乳で補ってください。

 
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