経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.44】
 
 千葉県下で5番目の税理士法人
 
 トークに思いを込めた、
 中小企業のバックアップ集団」
 
トーク税理士法人・杉山代表社員に聞く
 
  今年5月に施行される新会社法によって、中小企業や起業者をとりまく環境が大きく変化します。そんな中で、税理士業ながらあえて中小企業経営支援業と名乗り、働く喜びと経営に対する理念を真剣に考えることで、顧客の夢の実現をサポートするトーク税理士法人・杉山代表社員にお話をうかがいました。
 
‥‥‥●税理士になられたきっかけは?
 
もともと私は税理士志望ではなく、一般企業のサラリーマンでした。27才の時に3人の仲間と一緒に会社を作ろうとしたんですが、経理を担当できる者がおらず、3人の中でたまたま私が一番若かったので、手っ取り早く覚えるために会計事務所に就職しました。そのうちに、会社を立ち上げるという話は立ち消えになってしまった。私は戻る場所が無くなり、仕方なく税理士になったというわけです(笑)。
 その後32才で独立し、東京・有楽町で都市型の事務所を目指しました。しかし地代も高く、お客もほとんどいない自転車操業でした。朝から夜遅くまで働きましたが、自分の仕事に忙殺されて人材を育てる暇もありません。社員教育の時間も作れず、職員が朝の始業時間に平気で遅れて来たり、私の思うように働いてくれず、自分が疲れてしまっ当時、自宅が千葉でしたので、事務所も千葉に移すことにしました。それがここに来る前の、祐光町の事務所で
す。今年は独立して31年目になります。





‥‥‥●中小企業問題にお詳しいそうですが。
  独立後に入会した中小企業家同友会で、異業種同士で勉強してきました。95年から00年には代表理事を、現在は常任理事・ビジョン委員長を務めています。県では今年3月より中小企業元気条例制定のために「千葉県中小企業振興に向けた研究会」を設置していますが、私もその会の副会長に任命されています。同時に、中小企業家同友会が進めている中小企業憲章の制定に向けての活動も続けています。
 日本は格差社会と言われ、中小がどんどん傾き、大企業はむしろ好景気になっていく。しかしヨーロッパでは2年前に小企業憲章が出来ていて、小企業があっての大企業という考え方です。歴史的にもマイスター制度があるし、小企業と大企業がうまく共存しています。小企業こそヨーロッパ経済の背骨であり、雇用の源泉であり、ビジネス・アイデアを育てる大地であるという考え方なんです。
 もちろん中小企業側の努力も必要で、経営者がしっかり努力することが前提で、「俺たちが頑張らないと日本経済はどうなる」くらいの気持ちを持たないといけません。我々も年4回、広報紙『Shall we と〜く』を発行していて、経営者に対するメッセージを送っているんですよ。




‥‥‥●法人名はどこから取ったのですか?
  昔、NTTさんの「トークの日」というのありましたが、「トーク」という言葉に込めたのは、緊密なコミュニケーション。社内的にも対外的にも、コミュニケーションの充実が必要と考えています。トーク税理士法人の設立は025月1日。共に代表社員を務める坂本先生とは24年来の腐れ縁(笑)。実は彼を含めた5名で、会計事務所の経営について15年程、勉強会をやっていたツーカーの仲ですから、2人で法人化してみようということになりました。我々のトーク税理士法人は千葉県で5番目、千葉市では2番目です。株式や有限の会社ではなく特殊法人ですので、私たちは社長ではなく代表社員という肩書きです。2本柱として、創業支援は主に坂本が担当し、新たに取り組んでいる経営革新については主に私が担当しています。



‥‥‥●なぜ法人化に踏み切ったのですか?
  我々の資格は一身専属、一代限りで、自分が終わってしまえば何も残りません。しかし顧客である企業は永続的ですから、それに対応してこちらも永続的にならなければいけない。永続性があればノウハウやスキルの蓄積も可能で、ソフトとして固まってきます。資質も向上し、他の事務所に比べて差別化も出来る。すると本当の意味でいい仕事が出来る。いい循環が出来てきて、顧客の拡大にも繋がる。
 我々は自分一代の稼業で終わってはいけないんです。規模の拡大を狙うだけでなく、本当の意味で顧客の経営をサポートしていくためには、一定の組織と、企業としての発想で仕事をすることが必要だと思いますね。
 今後は監査法人系の税理士法人、数百人単位で全国展開を目指す大型税理士法人が台頭してくるでしょう。ですから我々が生き残るために目指すのは「地域密着型」です。
これは桶狭間の戦いと一緒なんですね。今川勢は数万、織田勢はほんの2〜3千。数では今川が圧倒的でしたが、桶狭間は街道の狭い場所だから、後ろに何万人いようが、いっぺんに戦えるのは数百人なわけです。それを地域に詳しい織田勢は情報として持っていたから、勝つことが出来た。それこそが、中小企業が地域で生きていく道なんです。桶狭間の戦略を取れば大手には絶対勝てるんですよ。




‥‥‥●社員教育にセミナーを活用されていますが。
 社内では委員会制度を作っています。企業の発展は、マーケティング(市場)と、マネージメント(管理)の能力があれば必ず成功しますから、その2つの委員会を中心に、全員参加で組織的に取り組んでいるんです。どんな市場に、どういう形で取り組むか。そしてその対象をどう管理し、対応していくか。この両輪がうまく回ることが大切です。2つの委員会の下に業務そのものが含まれ、営業委員会・広報委員会・厚生委員会などがあります。特にマーケティ
ング委員会では積極的にセミナーを開催し、顧客ニーズに応えています。最近では新会社法セミナーや経営革新セミナーなど、やはり参加されている会社は伸びていますね。
 また設立以来4年間、毎年2名地元千葉大学のインターンシップ生も受け入れています。今後も継続していく予定です。



‥‥‥●新会社法の設立で、中小企業は変わってくるでしょうか?
  
会社を起こすか起こさないか、有限を株式にするのかどうかよりも、大切なのは会社をどのように運営していくか、どういう会社にしたいのかです。そこで必要になってくるのが「経営理念」なのです。その経営理念作りのお手伝いをすることが、実は我々の仕事でもあります。それを実行するためにはどういう組織が必要か。従来のような税務中心ではなく、中小企業がどうあるべきかを追求する。今こそ我々の出番が来たんだな、と痛感しています。
 以前「なぜ、あなたは働くのですか?」という議論を社員全員でグループ討論してみました。今の若い人が、フリーターやニート化するのは、生き方がわからなくなっているからです。給料がいいとか、ネームバリューがあるとかでなく、そこに生き甲斐があり、社会的な意義を見出せれば、生き方という問題に於いては大企業も中小企業も格差は無くなります。その結果として生まれてくるのは自主性です。上から強制されるのではなく、自分が中心、主人公であれば創造的になる。我々の業種でも同様で、顧客ひとりひとりのために何をしたらいいかは全部違う。非常に創造的な仕事なんです。働く人はもとより、まず経営者自身が「なぜ働くのか?」を絶えず明確に理解し、意識を変えないといけません。経営イコール夢の実現なんです。トップはもちろん、皆が自己実現するためのシステムをどう作るかを考えて初めて、社員が活き活きしてくるんです。

 


‥‥‥●ずばりトーク税理士法人の経営理念は?
  「中小企業経営支援業として、顧客企業の存続と発展、ひいては地域社会の活性化に寄与するとともに、その業務を通して夢の実現を図る」ことです。あえて税理士業とは言っていません。中小企業経営は、経営者の思いを実行することです。社会にこんなふうに貢献したいというビジョン。こんな会社にしたいという夢。起業=業を起こすことは、夢を実現することです。我々は、そういう夢を持った人たちを支援し、同時に経営者の生きざまに共鳴していかなければなりません。経営者の夢を実現していくお手伝いをする過程の中に、我々の夢の実現があるんです。まずは働く喜びをどう得ていくか。顧客に対しては、私たちは夢を語る業態なんだと主張しています。
 今後、中小企業は、単独では生き残れなくなっていくでしょう。だからこそ提携が大切です。お互い、自分の出来ないことはネットワークで補い合う。手を結ぶには、理念なしには考えられません。異業種交流が失敗する例が多いのは、金儲けが先行してしまうからです。仕事を廻しあうだけでは駄目で、まずは理念的なものを一致させること。地域、あるいはこの業種を皆で盛りたてていこうという共通の理念さえあれば、儲かるかどうかはさておき、いろいろな拡がりが持てるはずなんです。理念さえしっかり持っていれば、どんな業務提携も可能だと私は思います。
 
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