経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.58】
 
自動車から始める、エコアクション

環境にやさしい整備を
 コンサルティング

 
アスカ自動車工業有限会社 秋葉 健夫 社長に聞く
 
  現代の暮らしに欠かせない自動車のメンテナンスというステージで、ひとりひとりが、できることから取り組めるエコ整備メニュー。整備工場のオリジナルな魅力を追求する秋葉健夫社長にお話をうかがいました。
 
‥‥‥●創業時は全く違う業種だったそうですね

 当家は、祖父の代からサツマイモを原料とした澱粉の製造を家業としていました。昭和30年代の初め頃から、この近辺の農家はサツマイモの栽培を縮小あるは止める等で、原料の確保が次第に困難になってまいりました。このような状況のもと、今年84歳になる私の父(現会長)が、これからの時代は自動車関係の仕事が伸びていくとの見通しのもと業種転換をしました
 
創業時は、千葉市中央区道場で鈑金塗装業を始め、数年後、現在の場所に移転しました。2代目の私は25歳の時に入社し、今年、社長に就任したばかりです。はじめは自動車整備部門を担当、その後建設用クレーン部門を担当しました。それからもう30年近く経ちます。
 現在の当社の業務内容は、一般車両の整備、一部の特殊車両の整備、鈑金塗装がメインです。新車の販売もしていますが新車の販売は利益よりも、お客様のパートナーとしてお付き合いを続けていただくことが目的ですね。当社で買っていただいたお車を、車検・オイル交換・ちょっと擦った時にはリペア等々、車のことならなんでも気軽にご相談いただければと思っています。朝は、8時半から開いていますので、通勤の途中で車をだして、代車に乗って職場に行かれる方もおられますよ



‥‥‥●エコに取り組んだきっかけは

 ご存じのとおり、温暖化による地球環境の悪化は社会的な問題として、毎日ニュースのない日はありません。特に、当社の業務は地球環境問題と密接な関係があり、以前から関心を持っていました。
 
環境問題に取り組むきっかけは、国土交通省が自動車整備業界に対し指導している「環境に優しい整備工場」の指針でした。「環境に優しい整備工場」を目指し、5年くらい前から積極的に活動を開始しました。お陰様で国土交通省関東運輸局千葉運輸支局から、環境保全に配慮した工場運営への取り組みが認められ、3年連続表彰されました。
 並行して同時期に、環境省が策定した環境経営システム「エコアクション21」への取り組みを開始し、20058月に認証・登録を受けました。千葉県では10番目、全国では451番目です。なお、去年より「チームマイナス6%」活動に参加しました。また、建設用クレーンでのお取引先である大成建設さんからは、環境保全活動に積極的に取り組んでいる協力会社として、2005年に「社長賞」をいただきました。



‥‥‥●エコ整備について教えて下さい。
 
自動車整備は、会社の特色を出しづらい業種です。車検も価格に差はありますが、どこに出しても整備内容の優劣はお客様にはわかりにくい部分が大きい。そうだとしたら当社には何ができるのか。社会的に関心の高い「環境」をキーワードに、環境保全に貢献する商品サービスの提供について検討しました。結果、エンジン洗浄(燃焼室内洗浄・潤滑系統洗浄)・タイヤへの窒素ガスの充填・エコアース配線・4輪アライメント調整等は、燃費の向上や排気ガスの低減につながることから、社会的なニーズに応えられるメニューと考えました。
 
これらを組み込んだ整備・車検を「エコ整備」および「環境車検」として名付け、商品化し積極的にPRし販売していていこうと、去年より取り組みました。そして、社員全員の意識向上のため名刺や封筒、パンフレットに「心がけようエコドライブ」「みんなで止めよう温暖化」「チームマイナス6%」との言葉を印刷しました。
 現状は、お客様にご提案する形でお話しさせていただいていますが、少しでも「エコ整備」および「環境車検」が増えていき、将来的にはお客様の半数程度からご指定をいただければと期待しています。これからは、社会全体が環境に対する意識が向上し、特に環境問題に意識の高い団塊世代が定年退職され家庭や地域に戻った時に、一人一人が環境に対する活動のひとつとして、当社の「エコ整備」および「環境車検」を、愛車の整備メニューに加えていただければと思っています。



‥‥‥●同業他社でも皆さん取り組んでいるものなのですか

 
整備工場では、まだ、ここまで実行しているところはそれほど多くないと思います。千葉運輸支局内の整備工場で10%内外かと思われます。環境経営システムやエコ整備を運用するにはどうしてもある程度の人員や規模が必要と思われます。ただ、業界としては努力していますので、官公庁の公用車や各企業の社用車もエコ整備を少しずつ採用してくださればいいですね。とにかく、二酸化炭素の削減は皆で取り組まなければならないので、それぞれができる範囲で取り組み、かつ、実行することが大切だと思います。


‥‥‥●特装サービスとはどういったものですか

 コンクリートミキサー車、タンクローリー車、消防車等の特殊車両のメンテナンスサービスです。ミキサー車等はお馴染みですが、現在、当社では環境保全の観点から剪定枝粉砕処理車のPRをしています。
 剪定枝とは、一般家庭や公園や街路樹等の樹木を剪定した木の枝のことですが、この処分方法に苦慮しているのです。この剪定枝粉砕処理車は、一般的なゴミ収集車と車体サイズは同程度で剪定した枝をその場で粉砕処理(チップ化)する専用車です。当社のお客様感謝祭や環境展(エコメッセ千葉)とか公民館で実演しました。粉砕したチップはガーディニングや遊歩道のクッション材や畜産業の敷き藁の代用品として利用されています。近頃はバイオエタノール燃料の原料として木材チップが研究対象となっている模様です。
 現在、行政などに導入を検討してもらっているのですが、剪定枝としてのゴミの減量と資源の有効利用にお手伝いできればいいですね。千葉県は緑も多いですから。



‥‥‥●会社の将来像・・・
 
自動車の登録・届出台数は全国で約79百万台と言われています。使用していればメンテナンスが必要です。当社は整備部門と鈑金塗装部門があり、お客様にご満足いただける体制を整えています。
 鈑金塗装部門に関しては2点ありまして、ひとつ目は環境に配慮した設備の導入を検討しています。ヨーロッパでは塗料は水性塗料が普及しつつありますが、日本ではまだ、有機溶剤を使用する塗料がほとんどです。もう1点は、塗装部門は女性の活躍が期待される部門です。細かいキズを見落とさない繊細さ、色の具合を観る感性は女性の方が優秀です。調色(色の調合)はコンピュータで97%程度調色しますが、残りの3%で微妙な差が出てしまいます。また、数値は同じでも見た目が何となく違ってしまうこともあり、最後は人間の目が頼りなのです。女性の感性を活かしたいと思っています。
 整備部門では、診断的な部分に力を入れていきたいと考えています。例えば、車検時のみに整備をまとめて行うのではなく、お客様個々のデータよりオイル交換やタイヤ交換の時期あるいは摩耗部品の交換時期等を年間スケジュール化し、安全・安心・エコをベースとした信頼されるコンサルティング業務を、お客様個々人のカーライフの一部に組み込こんでいただき、よきパートナーとなりたいと考えています。



 
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