経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.59】
 
千葉の街を、至福の空中散歩

「未来へ向けて走る
  世界最長の懸垂型モノレール」

 
千葉都市モノレール株式会社 三上 都紘 社長に聞く
 
  市民の足として、また環境にやさしい未来の乗り物として、すっかり身近な存在となった千葉都市モノレール。新たな歴史を刻みながら、来年、開業20周年を迎える三上都紘社長にお話をうかがいました。
 

‥‥‥●この20年間で、利用者数はどのように推移してきましたか?

 時代とともに、沿線住民の少子高齢化の影響は大きいですね。団塊世代の大量退職もありますから、平成8年をピークに全体的には微減傾向にあります。かつて千葉市中のスポーツイベントの中心地だったスポーツセンターも、市内にスタジアムなどが増えたことで、利用者は減っていて、その影響もあります。ただ近年、天台・作草部エリアに大型マンションの建設が相次ぎ、また千葉港周辺も大規模なマンションが急増して、特に千葉−千葉みなと間は増えていますね。


‥‥‥●安全面に関してはいかがですか?

 私がこの会社に入社してからちょうど3年になりますが、一度、道路工事のクレーン車が車両にぶつかってしまったことがありました。お陰様でお客様も運転手も無事でしたので、ほぼ無事故と言っていいと思います。工事などはもちろん事前に届け出をお願いしていますが、皆さんが思っているよりも低いところを走っている区間もあるんですね。桁までは意識がいくんでしょうが、そこにぶら下がる車両の高さを計算すると、場所によっては意外に低いんです。
 地上を走る鉄道では、人や車と交差する踏み切り事故の心配がありますが、こちらは下に車や人が通る道路があるわけですから、何か落下してはいけないし、常にそれを念頭において、路線全てが踏み切りだというくらいの気持ちで運行しなければいけません。とは言っても、基本的にはとても安全な乗り物です。風に弱いと思われますが、大風で止まったことは一度も無いんですよ



‥‥‥●メンテナンスのご苦労など、お聞かせ下さい。

 
お客様のご要望で多いのが、特に都賀駅で総武線の最終列車と接続してくれ、という声でした。それに合わせて終電時間を遅らせるのは長年の懸案でした。というのは、終電で1日の業務が終了するわけではなく、そこから朝の始発までの時間を、点検作業に当てているんです。毎日、路線全ての中から、運行終了後の深夜に区間を決めて行なっています。万が一、故障で運休ということになったら大変ですし、休みをいただいて直すというわけにもいきません。終電の時間が延びると、点検作業に使える時間がギリギリになってしまうのが辛いところです。当たり前のことですが、365日、朝早くから夜遅くまで皆様のために運行し続けることが我々の仕事です。いつでもちゃんと走っていて当たり前という存在ですからね。意外と知られていませんが、千葉都市モノレールはタイヤで走っているんですよ。軌道桁の内部、車体1両の上に8個の大きなゴムタイヤがついていて、舗装面があるわけです。そこに異物があればパンクもしますから、点検作業をするのもこの部分が主です。よく子どもたちから「モノレールって、どうやって浮いてるんですか?」と質問されますが(笑)、磁石か何かで宙に浮かんでいるというイメージなのでしょうね。



‥‥‥●イベント開催などのご予定はありますか?

 
昨年10月に初めて車両基地で「モノレールまつり」を開催しましたが、本当にたくさんの方においでいただき、こちらがびっくりする程の大成功でした。普段見えない部分を見られますから、皆さん楽しんで下さったようです。器用な社員が手作りで舞台を作って、音楽や出店など盛り沢山で、社員同士も盛り上がっていました。彼らが手製のプラレールを公開したところ、それもすごい人気で「帰りたくない」と駄々をこねるお子さんもいたそうです。今年は1020日です。特に来年の3月で開業20周年を迎えますから、今年から記念行事をいろいろやっていきたいと思っています。


‥‥‥●今後、新たに導入するサービスなどはありますか

 まずは「pasmo」ですね。今年3月のサービス開始以来、ものすごい反響のようですが、私どもとしては第2陣として平成21年春に導入を予定しています。
 さらに開業から20年経って、車両の老朽化は避けられない問題ですから、新型車両に替えていかなければなりません。この車両1台が、皆さん驚かれるような値段です(笑)。これは珍しい乗り物の宿命で、全国他に同じようなものが走っていませんから、どうしても割高になってしまいます。しかしこれも2年後の導入をめどに開発を進め、すでにデザインも決定しております。



‥‥‥●新型車両はどんなものになりますか?

 
URBAN FLYER 0-type」という開発コードを略して、「UFO」という愛称をつけています。眺望の良さを活かし、誰でも乗って楽しく、見て美しい車両というコンセプトでデザインされています。スマートさとシャープさを強調した外観で、ブルーを基調にした新たな都市の顔として生まれ変わります。車両前部と後部に、空中飛行鉄道ならではのパノラマデッキを作ります。足元の床を一部ガラス構造として、これまでに無かった眼下のアーバンビューを存分に眺められます。下からは見えないよう工夫されていますから、女性の方も大丈夫です(笑)。平成21年度末に第1号車を導入する予定です。子どもたちには特に喜んでもらえると思いますから、ぜひご家族で乗っていただければ幸いですね。


‥‥‥●モノレールの楽しみ方をもっと広げるには?

 平日1018時が全線乗り放題になる「お昼のお出かけフリーきっぷ」をはじめ、お得な乗車券も発売中です。また通常のダイヤの合間に走らせる貸切り列車も好評です。結婚式の2次会やパーティーなど、車内で宴会もできます。ジャズフェスティバルの際には、モノレールがジャズトレインに変身し、生演奏を楽しめるんですよ。お花見列車やワイン列車、カラオケ列車なども、実現したいと思っています。畳を敷いたお座敷モノレールというのも、あっていいでしょうしね(笑)。夜景を堪能しながら、四季の移り変わりを愛でながら、もともと夢のある乗り物ですから、楽しみ方は無限に広がっていきますよ。

 最近、ニーズが増えているのが車内をドラマや映画、プロモーションビデオの撮影に使うという、ロケでの貸切り。都内などではなかなか難しいようで、特に私どものは珍しい乗り物として、車窓からの景観も目線が高いですし、利点がたくさんありますから、どんどん利用していただきたいですね。


‥‥‥●路線の延長も含めた、今後の展望をお聞かせ下さい。

 モノレールはもともと排気ガスも騒音も出さない、環境にやさしい乗り物です。将来的にはパークアンドライド方式を採用しようという動きもあります。モノレール駅の近くの駐車場に車を停めて、モノレールを利用していただくことで、市内の交通渋滞の緩和やCO2削減につながります。特に定期券で乗っていただく方には月極めで車を置いていただくようにと検討中です。
 将来的に県庁前から先へ路線が伸びていけば、乗客数も格段に増えていくと期待しています。特に高齢者や身体の不自由な方などには一番いい乗り物だと思います。今後数年間で、全ての駅にエレベーター設置が予定されていますから、通院などの足としてぜひご利用いただきたいですね。


 
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