経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.6】
 
本社を東金市から千葉市に移転
 独自の経営理念とノウハウによって堅実な歩みを続ける
 
株式会社 カワグチ
     川口社主に聞く
 
 明治初年の酒類卸事業からスタート、現在は、県内有数の酒類食品総合卸・スーパーチェーンに発展、昨年10月には本社を東金市から千葉市に移転、独自の経営理念により堅実経営を続けている(株)カワグチ 社主 川口幸雄氏にお話を伺いました。
 
‥‥‥御社の沿革と事業概要についてお聞かせください。
 もう創業100年以上になりますから、老舗の部類になるでしょうか。尤も最近は老舗のイメージはあまり芳しくないから「自重」しています。(笑)
 さて、先代の話からですと戦後統制経済が終った頃に各県に一社か二社できた当時の「大蔵省指定甲卸機関」の千葉県中央酒類販売株式会社というのが戦後のカワグチのスタートです。
 これは県下の問屋系統の数十社の集合体でした。その社長を父達郎がやっていまして、カワグチはその会社の東金営業所でした。ところが父が48才で脳出血で倒れ、まあそれやこれやもあり、共同体の発展的解消となりカワグチも東金営業所から川口商店として昭和28年に法人になった訳です。その頃は兄裕雄が経営をしていました。
 昭和32年9月不思議なことがありました。その時私は大学の2年生でしたが、病で手足の不自由になった父そして母と兄で夕食後に話し合いをしたんです。そして私が家業の酒問屋を兄裕雄は千葉の昭和塩業の経営をと話し合いになり「ではお休みなさい」と家族で云い合って別れました。
 翌朝父が再び倒れ、「お休みなさい」が本当に父との永遠の別れになったのです。
 何故家族会議が、前日の晩なのか不思議なものを感じます。話し合いの時、私自身は外国でジャーナリストになりたい、という夢もあったことから少し判然とせず、家業継承の完全自覚というわけでもありませんでした。
 しかし父の他界、兄の転居という目前の現実を前に「やるしかない」という気分が生まれてきました。
 もしものことですが、前日の話し合いがなく、父が他界せず、兄も転居しなければ、気持ちの中に内なるものが生じたかよく解りません。そんな意志を越えた不思議なものに今迄何度も出会っています。
 小学生の頃、池で溺れ友達は驚いて池から飛び出し、皆が帰る道の脇に竹ざおがあってとか。友達の後ろに突然「ばっと」入ったら友達の振った野球のバットが(笑)私を直撃しました。こめかみから5cmずれてのヒットでした。不思議に生かされてが実感です。
 さて、それはそうと海のものだか山のものだかの21才の若僧が兼何々がいっぱいついてはいたものの事実上の社長になった。本人自身何も解らない。世間がカワグチはもう駄目だと考えたのは至極当然です。そんな話も私の耳にも入って来る。「そうでもないんではないか」考えるのは自由だからと私自身は勝手に考えていました。
 そんな噂が発奮にもなりました。今から考えるとそう噂してくださった方々が、私のビジネススタートのエネルギーをくださったのですね。そしてあの頃の方々が皆さんそうであった様に「戦争に行った人の事を考えれば」みたいなところがあって、まあ絶対時間だけですけれども今のセブンイレブンの営業時間に近い働き時間でしたね。今そうしたら社員に怒られそうですね。(笑)
 とはいえ何よりも今と違って追い風経済でしたから頑張れば殆どOKの時代。今ではあり得ないそんな時代にも助けられました。
 その間小さな失敗は数えきれず(笑)但し、失敗からの撤退も早い決断でアッという間にたちまち40年以上が過去のものになっています。

‥‥‥スーパーカワグチ
 さて、本業の酒類食品総合卸業ですが子会社を含め今は千葉・東金・大原・木更津に営業所があります。後から始めたスーパーマーケットは現在13店舗を松戸・柏から東金・茂原の中で営業しています。
 私が生まれる前からキリンビール、宝、キッコーマン等の特約があり、その後私が取引を始めた白鶴、白鹿、黄桜。又、各県一社制の二階堂、吉四六などに選ばれたりで地酒やワインの充実には多少の自信があります。
 又、セブンイレブンの県内三納入業者伊藤忠、日酒販、カワグチの一社であったり、CGCこれは日本のスーパー連合です。信じられないかも知れませんが、このCGCの全国加盟店の売上はビック4、つまりイトーヨーカ堂、ジャスコ、ダイエイ、西友の合計食品売上より多いのです。スーパー部門はその加盟社になりました。千葉市内での加盟社はカワグチだけです。同時に酒卸の納入業者にもなりました。そんな訳で卸と直販は関連部門ですし私共の様な地方問屋は直販部門があることも一種の強みになっています。ただ1000店程取引のある酒販店様との競合には気をつけてはいます。直販をほどほどに持っている酒類食品問屋は大きいところでは明治屋、そうでないところでは全国でも私共カワグチだけのようです。

‥‥‥本社を東金から千葉市に移転
 さて昨年の10月に永年の東金から本社を千葉市中央区問屋町に移らせて頂きました。どうぞ宜しくお願い致します。
 そして、すぐ近くの卸団地の中で一般のお客にも来て頂ける市場的な激安生鮮食品館を始めました。卸団地のにぎわいの一助になればと考えています。
 千葉市、それも中央区問屋町に来ることが夢でありましたし、同時に県都の持つ情報力、求人力などをつくづく感じています。
 ところで私は社内のダメなところを負け惜しみも含めてですが「埋蔵金」と言っています。ダメなところを早く見つける。直す。でも直らない。だからまた直す。直るまで直す。
 こんな埋蔵金を別名「含み資産」とも言っています。直せばよくなるからです。そして幸か不幸か、何よりも恥ずかし乍らかなんですが、埋蔵金の山の中にカワグチはあるんですよ(笑)

‥‥‥独自の経営理念とノウハウによって堅実な歩みを続ける
 会社の玄関に「念ずれば花開く」という軸をかけています。これは私共が社員教育を頼んでいる日本創造教育研究所の玄関にあるものです。今はどんな業種でも一生懸命だけでやっていける時代ではなくなっています。「どう思うか」「どう考えるか」それこそが大事なことと会社への出入りの度に自戒をしているんです。お客様、仕入先様、金融機関様、社員など大勢の方々に支えられ、その上に不思議な力にも加勢して頂いて今に至っています。リタイヤした友達は「今はゴールデンシックスティだ」などと言っていますが、今の私はそれを「夢見るシックスティ」といったところです。(笑)

 
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