経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.62】
 
生活者のヘルスアドバイザーとして飛躍を遂げる

健康産業の最前線で、
  夢とロマンを抱きながら

 
株式会社千葉薬品 神崎 彰道 社長に聞く
 
  セルフメディケーション(自己治療)の時代を迎え、地域住民とともに歩み、
100店舗を実現した千葉薬品(ヤックス)グループ。物販からサービスへと、移り変わる生活者のニーズに応え続ける、神ア社長にお話をうかがいました。
 

‥‥‥●創業当時のことを教えて下さい。

 創業は昭和35年9月、4坪の店舗で小さな薬屋として富士見町でスタートしました。私は千葉で生まれ育ち、昭和49年に入社して、8年前に3代目社長に就任しました。創業者の齋藤茂昭(現在は顧問)は北海道出身です。福沢諭吉の命を受けた齋藤の祖父は、開拓民として北海道に渡り、富良野への初めての入植者となりました。その業績を讃える銅像が市役所に建っています。その富良野の大自然の中で育った少年が、終戦後、教員で校長まで勤めた父とともに北海道を後にし、薬剤師を志したわけです。千葉の国立療養所などに勤務したのち、独立しました。当時、薬は定価で売るのが当たり前でしたが「よりよい品をより安く」というモットーで安売りセールを目玉にし、お客様から好評を得ていきました。齋藤はその後、パスポートが真っ黒になる程、アメリカやヨーロッパへ飛び、小売業、特にドラッグストアのノウハウを学び、ヤックスの礎を築きました。
 店舗は現在千葉県、茨城県、東京に展開しており、スーパーマーケット、ドラッグストア、調剤薬局のうち、年商400億円の約2/3がドラッグストアです。残りがスーパーマーケットと調剤、うち調剤が約10%を占めています。



‥‥‥●ヤックスと言えば24時間営業ですが…

 スーパーマーケットは昭和46年、千葉薬品として初めて仁戸名にオープンしました。24時間営業を始めたのは道場店からです。今でこそ、深夜でも生鮮食品を買える店はありふれていますが、まだコンビニなどもない時代です。きっかけは、道場という町がかつての歓楽街から近く、そこで働く方たちが夜間に利用するというニーズがあった、その地域性というものが大きかったと思います。業績不振を乗り切る対策でもあったのですが、これは大成功でした。全国初の365日・24時間営業店がデビューした訳です。


‥‥‥●近年、ドラッグストア業界は厳しいと言われていますが。

 千葉というのは、東京の大手資本がどんどん入って来るために、昔から小売業は難しい土地です。東京に近いがゆえに、千葉の企業は育ちにくいと言われてきました。ドラッグストア業界も大手企業の進出が続き、競争は激化する一方です。ただ、これからの時代は安売りだけではとても生き残っていけません。
 当社はほぼ10年おきに中心となる業態を変えてきました。時代ごとに、法制度などの障害をバネにして、新たな事業を展開し、店舗を実現してきたと言ってもいいでしょう。創業した1960年代は薬局の時代。70年代はスーパーマーケットの時代。80年代は多角化の時代として釣具の「アタック5」や持ち帰り寿司、ブックセンター、衣料品などにもチャレンジしました。大店舗規制法で大型店を作るのが難しくなっていき、規制内で動ける業態を考えたのです。90年代はドラッグストアの時代でした。ここまでが第1期で、21世紀とともに第2期、新創業の時代を迎えたと考え、これまでの物販よりもサービスに特化した業態、調剤薬局や健康相談の窓口、介護事業などに力を入れています。
 少子高齢化、そして人口減少社会という中でものを売るのは大変に難しいことです。将来を見据えた時に、時代背景にそった商売をと考えると、やはりサービスという商品、介護や調剤、訪問看護や在宅医療といった業態が求められます。今後は病院と調剤薬局の中間的な存在を目指していくことになります。ドラッグストアの店舗には、高齢者の自立支援を目的とした介護支援センターが併設され、ケアマネージャーたちが活躍中です。また、ホームヘルパー1〜3級課程の養成講座も開催し、スタッフの確保に努めています。



‥‥‥●社員とパートさん、薬剤師さんの比率はどのくらいですか?

 グループ全体では約2600人おりますが、うちサラリー(月給)社員が518名、アワリー(時給)社員が約2100名です。ただ給料の貰い方が違うだけで、働く上では差別はないと考え、パートだから補助的な仕事だけをするということはありません。仕事の内容は同じです。
 薬剤師は現在約250人おりますが、現在、社をあげて取り組んでいるのが登録販売者制度に向けての準備です。今は薬剤師でないと薬の管理が出来ませんが、一般のOTCと呼ばれる薬については、2009年より試験に合格した登録販売者であれば販売できるようになります。受験資格はドラッグストアなど薬を販売している会社に1年以上勤務していること。この取得に向けて、社内教育で勉強しています。
 薬分業もかなり進んできて、薬剤師のニーズは増える一方です。薬局には規模に関係なく2名以上薬剤師がいなければなりません。実際には薬剤師不在のまま営業しているお店もあるようですが、当社の場合は営業時間中は100%、薬剤師常駐でやっています。万が一、急に休まなくてはならない時は本部で手配をして、他のお店から行ってもらうなどシフトを工夫しています



‥‥‥●社会貢献活動にも積極的に取り組まれているそうですね。
 
 創業者・齋藤が、自宅そばにあった知的障害者施設が廃止されることを知り、平成17月社会福祉法人「斉信会」を設立し自ら理事長に就任して運営を引き受けました。また平成19年7月には、指定障害者支援施設「畑町ガーデン」を建設し、知的障害者の自立支援を行っています。
 また「ヤックス自然学校」として、毎年100〜200名程の小学生を集めて、長野県聖高原と千葉県長南町でサマーキャンプを、冬はスキーキャンプを行ない、今年で30年になりました。かつて参加した子どもたちが親となり、その子どもたちが参加するようになっています。これは創業者自身が大自然の中で育った少年時代を、千葉の子どもたちにも体験してほしいという願いから始まったのですが、千葉大学教育学部の学生がアルバイトをしてくれて、キャンプリーダーに恵まれたことが継続につながったと思います。社員の専任事務局スタッフが、他にも田植え体験などのイベントなども通年で開催しています。
 また一昨年に創部したばかりなのですが、女子柔道部が数々の大会に初出場して初優勝、という輝かしい成績をおさめています。社内に道場は持っていませんので、各選手が出身校などで練習に励んでいます。中心となっているのは国際武道大学の卒業生たちです。普段はケアサービス部門などで普通に働いている社員たちですが、今後ますます活躍してくれることを願っています。北京オリンピックに出場する選手が出たら最高ですね。


‥‥‥●今後の目標などお聞かせ下さい。
 
 千葉県は今、56市町村になりましたが、当社はそのうち41の市町村に出店しています。いずれは残り15の市町村に出店して、千葉県下くまなく店舗がある、という形にしたいと思います。常に生活者のニーズに応えた店づくりを心がけ、生活者のヘルスアドバイザーとして地域に根ざし、より一層信頼され、愛される企業として、スタッフ一丸となって邁進していきたいですね。


 
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