経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.71】
 


プラスチック再生原料の製造業として

「“価値ある”マテリアルリサイクル
 でオンリーワン企業になりたい」

   

 
株式会社メイナン 金子玲子社長に聞く
 
  原油高騰とともに激変する産業界では、時代とともにリサイクル事業への注目がより高まっています。第13回千葉元気印企業大賞・地球環境貢献賞 奨励賞を受賞した株式会社メイナンの2代目、金子社長にお話をうかがいました。
 

‥‥‥●入社当時のことを教えて下さい。

  社長就任からまだ日が浅いですが、もともと、全くこの会社に入る気は無くて(笑)、昔は先代である父が何の仕事をしているかも、よく知りませんでした。子供の頃に見た、作業着を着て長靴を履いて真っ黒になって働く父の姿が強烈に頭に残っていて、自分は女だし、全く関係ない世界という感じでした。私はそれまで一般企業のOLを経て、WEB系の製作の仕事をしていたんです。メイナンに入ってからも、最初はホームページ製作など外枠の仕事から。そこから徐々に営業の仕事をするようになって、今思えば、父の戦略だったかもしれません(笑)。
 もともと当社は産業廃棄物の中間処理業からスタートしました。でも、ちょうど私が入社した頃、プラスチックのマテリアルリサイクル、製造業としての道筋ができ始めて、そこに特化していくために様々な情報収集を行い、技術を取得していくという時期でした。もし中間処理業がメインである時に入社していたら、ここまで仕事に入り込めなかったと思います。やはり男性社会で“汚い、キツい”業界。それが、たまたま転換期に入社し、素人の私でも知っているような大手企業さんからもリサイクル企業として信頼を頂いている場面を目の当たりにし、「あれっ、うちの会社ってすごいんだな」と驚いたものです。そのタイミングが本当に良かったんだと思いますね。時代的にも、企業のISO取得が必須となり、地球環境への考慮が認知されだした頃。そういった意識の高い企業さんとの関係を築けたことが、再生原料製造業としての位置づけを伸ばせた大きな理由だと思います。



‥‥‥●2代目社長に就任し、周囲の反応は?

 父から、社長就任を言われた時は、恐さや不安はもちろんあったのですが、この仕事が純粋に楽しいと感じ始めていた時期だったので、これも与えられたチャンスなのかな、とあまり深く考えすぎずにチャレンジしてみようと思いました。相談役となった父のサポートや、一緒に頑張ってくれるスタッフがいるなど、いろんな意味で恵まれていますし、ありがたいことだったと思います。この仕事をすることによって、いろんな世界が見えてきて、たくさんの方との出会いの中で、本当にいろんな考え方があるんだと刺激を受け、自分の自信につながってきています。奨励賞受賞などの節目には、父から「頑張ったね」と声をかけてもらえました。もちろんまだまだ課題が多いですが、ここまでこれたのは、私ひとりの力ではなく、従業員やお客様のお力添えあってのことです。私を良く知る人たちに「メイナンに入って成長した」と言ってもらえるのが嬉しいですね。


‥‥‥●プラスティクの再生原料化について教えて下さい。

 事業活動を行う中では、ロスや不良など、いわゆる「産業廃棄物」と呼ばれるものが必ず発生します。これを数年前までは、焼却や埋立て処分していました。しかし、今は当社のような再生原料化させる“マテリアルリサイクル”と焼却の際に発生する熱をエネルギーとして利用する“サーマルリサイクル”の2つのリサイクルが主流となっています。
 当社が行うマテリアルリサイクルにおいては、まずは材質ごとの分別からスタートします。特性が違う材質同士が混ざってしまうと原料化は難しく、いわゆる「ゴミ」になってしまうので、まさに「分ければ資源、混ぜればゴミ」ですね。そこで、お客様の協力が必要不可欠となります。当社は産業廃棄物処理業ではなく、あくまでもマテリアルリサイクル、再生原料の製造業であるということにこだわっていますので、お客様からの回収も、私たちにとっては『原料の仕入れ』。ゴミを買取る人なんていないはずです。廃棄物を有価物にするためにはどうしたらいいか、排出事業者であるお客様と一緒に考えシステムを構築させる協同事業と認識しています。



‥‥‥●再生原料の製品化には、どういった工程が必要なのですか?

  プラスチックの品質グレードは、MFRという数値などによってはかります。当社には様々な特性を持つ何十種類ものプラスチックが入ってきますが、再生原料を利用するお客様のニーズにあわせて、同材質でも異なるグレードを破砕・粉砕・ミキシング工程を経て、段階のレベルの原料にして製造を行います。このミキシングが品質を安定させるための要となる技術となります。そこで当社ではISO9001の認証を取得し、品質管理を含め製造業としての基盤を整備しました。再生原料は、安定した品質を維持することで、初めて価値が生まれるのです。そのため、利用されるお客様にサンプルをお渡しして仮商品を成型してもらって、綿密な打合せを重ねながら商品開発を進めます。それが上手くいって初めて、原料として流通し、JIS規格に基づいた商品成型の原料として使用されています。
 最近は原油高騰で、再生原料のニーズが高まっていますね。いわゆるバージン材と言われる新品は、もともと夏場に値上がりしますが、ここ最近は値上げ幅が大きく、お客様もコスト的に相当厳しくなっています。さらにリサイクルは企業として当然の責任である、という時代の流れで、再生原料をどんどん取り入れるべきという考え方が広まり、“ゼロエミッション”に取り組まれるお客様も増えています。



‥‥‥●営業ではどういった部分に力を入れていますか?

  千葉事業所は、プラスチック仕入れ部隊の本拠地。営業担当はリサイクルサービスを提供する「サービスプランナー」と称し、お客様のニーズに合ったリサイクルサービスを企画・提案しています。ヒアリングから始まり、工場の技術者たちのバックアップをシステム化して、お客様の要望に添えるようなリサイクルシステムをご提案していきます。
 また、当社の大きな特色としては、“コンプライアンス(法令順守)”に応じたリサイクルシステムの構築です。ここ数年は海外への資源の流出などがメディアなどでも報じられていますが、私たちは再生事業者登録などの許認可を取得、千葉県より優良評価認定や環境省の広域認定も受けており、自社工場にて一貫したリサイクルを行っています。長年信頼を頂きお取引頂いているお客様にも、この点を評価して頂けているのだと思います。
 
父は試行錯誤しながら原料について学んできましたが、私の場合はお客様から教えてもらいながら、ようやく覚えたようなもの。まさにお客様とのコラボレーションで、知恵を出し合ってオリジナルの再生原料を作り出していくわけです。原料の仕入れ先のお客様からも利用先のお客様からもプラスチックの特色を教えていただくことで、新たな知識を授けてもらえる。そんな密な関係を築かせていただけるのは、本当にありがたいこと。お客様が宝だなと心から実感しています。



‥‥‥●今後の展望をお聞かせ下さい。

   今年は「脱・単純焼却、脱・埋立て」というキャッチフレーズを掲げています。埋立ては最後の手段で、探せばきっと道が見つかるはず!と思いながら日々勉強です。まだまだ産業廃棄物は埋め立てるしかないと思っていた、というお客様もたくさんいらっしゃって、特に千葉県は残念ながら不法投棄問題も抱えていますから、変えていける部分は多いと思います。いわゆる同業者さんからの当社への持ち込みのニーズも増えてきました。ともに足並みを揃え、競争だけでなく協力しあっていく時代になってきたように思います。それぞれ得意分野があるはず。当社はこのプラスチック再生原料製造の専門分野を極め、“価値ある”マテリアルリサイクルのオンリーワン企業になりたい、というのが一番の目標ですね。

 
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