経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.76】
 


音楽業界からコーヒービジネスへ

 「カフェエンターテインメントを
    プロデュース
  

   

 
COFFEE BEANS「焙煎工房」 天野 毅社長に聞く
 
  レコード会社のサラリーマンから転身し、本格的なコーヒー豆の焙煎販売店を6年前にオープン。従来の焙煎済みの豆を販売するのではなく、注文に応じて生豆から焙煎し、焙煎(やき)たて新鮮なコーヒーを提供する新しい形態の焙煎販売店で人気を集める。
 
コーヒーも音楽と同じく「生活に潤いを与えてくれるエンターテインメント」ととらえ、コーヒーのある生活を提案していこうというのが同店のテーマ。今や幅広いファン層に支えられ、現在はフランチャイズ展開の準備を進めているという天野代表に、起業のいきさつやコーヒーの魅力についてうかがいました。
 

‥‥‥●まず創業の経緯からお願いします。
  オープンは2003年7月です。このビジネスに飛び込む前は大手レコード会社で販売促進や営業のヘッドクオーターのような業務に携わっていました。20代のころから会社勤めは30〜40歳までで、それを過ぎたら自分の好きなビジネスを興したいという考えを持っていました。実際は、子供ができたり家を買ったばかりだったこともあり、50代になってようやく決心を固めました。やはり、定年になってから新しいことを始めるのは、体力的にも気力的にも難しいだろうと、思い切って会社をリタイアしたわけです。



‥‥‥●コーヒーの小売という商売を選ばれたのは。
   30歳ぐらいの時に、焙煎したてのコーヒーと出会い、焙煎済みの時間が経過したコーヒーに比べ、風味・香りのあまりの違いに驚き、感動したのがきっかけで、ビジネスとしての可能性を感じました。焙煎(やき)たての新鮮なコーヒーを提供できたらと考え、行き着いたのが現在の“コーヒーの生豆をその場で焙煎する販売方法”だったわけです。おかげさまで小さな個人商店ではトップレベルの年間4トン以上のコーヒー豆を販売する地域一番店となりました。
  またこのビジネスは生豆で仕入れるのと焙煎済みの豆を大手コーヒーバイヤーから仕入れるのとでは、料理前の原材料と調理した料理と同じくらいの価格差があり、粗利の高いことがこのビジネスの魅力です。




‥‥‥●開業にあたり店づくりのコンセプトは?  
   店内はスエーデンの家具を利用するなど、女性にも入りやすく家族でも買いに来られるような明るいイメージを心がけています。当店ではお客様にお好みをうかがいながら(お客様の嗜好に合ったコーヒーを一緒に探していきましょう)というスタンスで、コーヒー選びの過程も楽しんでいただくようなコンセプトで店づくりをしています。



‥‥‥●名詞の肩書きにある「ホームカフェ・エンターテインメント・プロデューサー」とは?
   「ホームカフェエンターテインメント」というのが、この店のテーマです。コーヒーを売るというのはこの店の目的ですが、それだけでなくコーヒーも音楽と同じエンターテインメントととらえ、日常の生活の中にちょっとした豊かさを提供していきたいと思っています。ですから、コーヒーを焙煎するカウンターもお客様から作業しているところが見える作りになっています。これもエンターテインメントの一環と考えています。自分の注文したコーヒーの焙煎過程を目にすることで、出来上がりを楽しみにしていただけるでしょうし、商品の満足感や安心感につながると考えています。



‥‥‥●おゆみ野をえらばれたのは?
  この地を決めるまで、開店の準備をしながら約1年間物件探しに奔走しました。多いときは車で一日100kmぐらい探し回りましたね。役所で目星をつけた地区の3年間の世帯人口推移を調べたりもしました。その結果、今の建物にたどりついたのです。おゆみ野という町は、商圏が蘇我から市原まで有機的につながっており、人口も増えているので理想的でした。
  入居当時は他のテナントも少なく、閑散としていて心配でしたが、近所で大手ショッピングセンターの建設が進行していて、「これができればお客様の流れも変わり、相乗効果でこの地区も活性化される」と直感しました。その勘は当たりましたね。


‥‥‥●開業するにあたっての費用は?
   現在の店舗はマンションの一階部分で、新築だったため、トイレなど全ての設備から手をつけなければならず、総額で700万円程度かかりました。店舗内装業者を使わず一般住宅業者さんにお願いしたため、専門業者さんと比較し費用がかさんでしまいました。そういう失敗も今ではノウハウとなっています。


‥‥‥●設備としてはどのようなものが必要ですか?

 一番重要なのは豆を焙煎する小型焙煎機です、現在は5台入っています。いずれも小型ですが、1台約10分で200gから500gのコーヒー豆を焙煎することができます。5台フルに稼働すれば、お客様が同時に何人きても、数種類同時に注文されても対応ができます。あとは焙煎した豆を冷却する冷却機や焙煎時の煙の排煙装置が基本的な設備となります。


‥‥‥●コーヒー豆の仕入れ方法は?
  こだわりのコーヒーの生豆を取り扱う小売店が、共同で仕入れができる機構を利用して、仕入れを行っています。数十店が集まれば、農園を指定して豆を買い付けることも可能になります。また当店では原産国大使館などから現地の情報をリサーチしています。


‥‥‥●コーヒー豆の種類や焙煎のノウハウはどのように得たのですか?
 
コーヒー豆の知識は多くの書籍や、コーヒーの輸入元、コーヒー専門店から話を聞いたりして基本的な知識を学びました。コーヒーの焙煎はお料理と同じで最後は焙煎する人の感性がとても大事になってきます。基礎を学んだ後はオープンまでの1年間の準備期間に、販売サイドに立った古い手法を捨てて、新たに消費者、コーヒー愛飲家の立場からおいしいコーヒーを追求して試行錯誤を繰り返し開業しました。オープンから5年、小型焙煎機で年間2万回の焙煎をお客様のオーダーにより行い、お客様からの反応、ご意見などの蓄積が現在のノウハウとなっています


‥‥‥●コーヒーの趣向も人によっていろいろとありますが・・・。
  
60〜70代の人たちには、モカやブルーマウンテンが根強い人気です。スターバックスのコーヒーで育った30代から40代の人たちは、ちょっと深炒りで濃いめのコーヒーが好みですね。当店には常時40種類のコーヒー豆を置いていますし、焙煎の仕方でその人の好みに合ったコーヒーを提供できます。例えば、コーヒーの酸味が苦手という人には、酸味の少ない豆もありますし、焙煎を深くすることで酸味を抑える事もできます。
   店では、焙煎している間にコーヒーを一杯サービスでお出ししていますが、飲んでいただいた感想を聞けば、そのお客様の好みがわかるようになります。


‥‥‥●大手やチェーン店との競合に心配ありませんか?
  コーヒーの焙煎はお料理と同じです。同じ銘柄の豆でも農作物のため毎年状態は少しずつ違います。当店では焙煎は私と妻が行い、微妙な味の調整を行っています。アルバイトやパートでは難しく、このような対応は大手ではできません。当店も周辺に大手コーヒーメーカーの直営店やチェーン店がありますが、全く影響はありません。


‥‥‥●今後の展望についてお聞かせください。

   私はサラリーマンから起業しました。これから第二の人生設計をしようとする人たちにとって有利な、一般的なフランチャイズとは違う起業支援型のビジネスライセンスというパッケージでノウハウの提供をしていきたいと考えています。具体的には、基本的なビジネスライセンスパッケージを購入していただき、毎月固定額3万5千円程度のライセンス料をいただくのみで、仕入れなどは利益をのせず当店の保証により共同仕入機構から当店と同じ原価で仕入られるようにします。そうすることにより加盟店の利益は当店と毎月のライセンス料の分しか違わないという有利な条件で起業が可能です。
 またプロデュース業として競争力の失われた古い形態の喫茶店などを、「焙煎たてのコーヒー」を提供するロースティングカフェ(焙煎を見せながら、新鮮なコーヒーを提供)への転換など他店との差別化をはかり競争力を回復するようなノウハウの提供を行っていきたいと考えています。
   その他このノウハウを利用したコラボレーションが可能な企業がありましたらご連絡をお待ちしております。



 
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