経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.78】
 


皮はさっくり中はもっちり、
オリジナルフランスパンが自慢

すべてが手作り!街のパン屋さん」
  

   

 
 
 有限会社ミッシェル 古川 守生社長に聞く
 
  住宅街に店を構えるフランスパンが売りのベーカリー「ミッシェル」。味と材料へのこだわりと、ほかにはない商品づくりが評判を呼び、市外から訪れるファンも多い。取材した日はあいにくの雨にも関わらずおいしいパンを買い求める客足は途絶えることがありませんでした。21年間にわたりオリジナルパンに情熱を注いできた古川社長に、パン作りの魅力などお話をうかがいました
 

‥‥‥●創業までの経緯をお話ください。
 
パンの専門店として平成元年にオープンしました。この5月で21年目になります。私は、千葉市の穴川(稲毛区)出身で、将来自分の店を持つことを夢に、20歳から8年間大手チェーン店でパンづくりの修行をしました。有楽町、六本木、船橋などの店に務め、千葉の店を最後に29歳で独立しました。勤めていたころに妻の実家が近くにあったこともあり、現在地(花見川区こてはし台)に店舗付きの家を購入し、一階部分を改装して今の店にしました。

‥‥‥●店には、フランスパン、菓子パン、調理パンとさまざまな商品が所狭しと並ん
    でいますが全部自家製ですか。
  
   そうです。全て当店のオリジナルです。パン作りの基本は修行していたパン屋で学びましたが、商品のレシピ、マニュアルの類はすべて自分で考えました。常時、だいたい80種類ぐらいあります。オープン当時から数は変わりません。材料を管理するのには、こぐらいがちょうどいい量なのです。ただ、商品は、お客さまの反応を見ながら毎月大体2〜3種類ぐらい入れ替えています。

‥‥‥●主力商品は?
   パン屋で修業を積んだのはもともと、フランスパンの勉強のためでした。私はパンの中で一番おいしいのがこのフランスパンだと思っています。ですから、当店の売りもフランスパンで、粉などの材料と製法にはこだわりをもっています。
 当店のフランスパンは、皮はさっくり中はもっちりが特徴です。毎日朝8時半、11時半、1時半の3回焼き上げます。うちのような小規模店で一日3回焼く店は珍しいはずです。
 生地は、液種(えきだね)法といって生地の一部を十分に熟成させる製法で作っています。粉と水とモルトを混ぜた生地を一晩発酵させるのですが、そこへ、熟成させた生地を混ぜるとパンのやわらかさが長持ちし、味も良くなります。乳酸菌で発酵させることで、歯切れの良さや口どけの良さが出ます。あとは焼き加減でフランスパンの持ち味である表面のサクサク感を出します

‥‥‥●パン作りの魅力、難しさとは
 焼きたてのパンが窯から出てきた瞬間の何ともいえない香りが一番の魅力ですね。
パンづくりの難しさですか?パンを作ることが好きでこの業界に入りましたから、難しいと思ったことはありませんね。あえて大変なことといえば、朝が早いといったことぐらいですね。大体、朝の二時半から三時ごろから作り始めますから

‥‥‥●今の人気商品は?
 ごぼうサラダが入った「ごぼうパン」やサンドイッチなどの調理パンがよく売れますが、お客さまの趣向は多様で、特定の品をあげるのは難しいですね。実は開店当初は、あんぱんやメロンパン、カレーパンといったオーソドックスなパンは作っていませんでした。ほかのパン屋さんでも売っているものは作らないようにしていました。ですが、その後フランスパンの生地を使ったあんぱんや、オリジナルのカレーパンを売り出したところこれがヒットし、今では、当店の人気商品になっています。
   
‥‥‥●お客様はどの様な層が多いのですか。
 周辺地域の人たちが主です。お客さまの層としては主婦やお年寄りの方が多く、こうしたお客さまがリピーターになってくれています。最近では口コミで評判が伝わったのか、船橋や佐倉などから来られるお客さまもいます。地元にもおいしいいパン屋さんがいっぱいあると思いますが、遠方からわざわざうちに来てもらえるわけですから、うれしいことですね。

‥‥‥●商品づくりで重視するものは?
 うちにしかないという商品を目指していますが、基本的には自分が食べたい、食べておいしいと思える商品です。調理パンでも、パンに合いそうな食材を考えて試行錯誤しながら研究しています。出来上がった試作品を、従業員たちに食べてもらって意見を出し合ってから、店に出す商品を決めています。う基本的に私は、ご飯に合うおかずは、パンにも合うと思っています。とにかく何でもパンにはさんで食べてみたいという性分なんです。特にフランスパンは、意外と思うかもしれませんが、味噌汁にも合うんですよ。

‥‥‥●パンの味の違いとは何ですか?
 粉の配合もそうですが、大きいのは生地のブレンドです。ブレンドの違いが味の違いになります。うちでは、粉はすべて国産小麦を使っています。フランスパンは北海道産の粉を使っていますが、去年は小麦の収穫が悪く手に入りにくくなっているので心配です。
 塩は、オーストラリア産の天日湖塩を使用しています。この塩は、西オーストラリア州デボラ湖で春から夏の乾季に1回だけ収穫できるもので、太陽の光と風の力を借り、自然の力で水分をとばし、綺麗な塩の結晶を採取したもので、塩辛いだけでなく、うまみ(・・・)のある塩です

‥‥‥●全体の商品構成比率を教えてください?
 全商品のうち、フランスパンと食パンが35%、あとの65%が菓子パンと調理パンです。フランスパンや食パンはいわゆる主食系で、リピーターが多い商品です。とくに、食パンは甘みがあってコクのあるパン、さっぱりとした感じのパンなど5種類用意しており、それぞれ味が違います。なかでも、「パン・ドゥ・ミー」という食パンはやわらかさが売りで、開店以来のロングセラーです

‥‥‥●お店は住宅街の中にありますが、立地としてはどうお考えですか。
正直言って、立地がいいとは言えませんね。開店当時はまだ若く、妻の自宅が近くにあるということで、勢いでここに決めてしまいました。ですが、この場所ならまず競合店は進出してきません。駅前などのいい場所には、かならず大手チェーン店や既存の店がありますし、家賃も高いですからね。立地的に不利だということは承知の上でこの店を選びましたが、「パンには自信がありましたので、口コミでなんとか広がってくれればやっていけるのでは」という目算はありました

‥‥‥●コマーシャルはやっていますか?
 現在は、一切していません。開店当初はまず店を知ってもらおうと、地域新聞に何回かクーポンを付けたり、来ていただいたお客さまに抽選で自転車や電気毛布などの景品が当たる抽選券をさしあげていました。抽選券は手作りでしたし、景品も知り合いに安く提供してもらったりしたので、あまり経費をかけずにできました。オープンしてから、こうした抽選会を何回か実施したところ、徐々にリピーターのお客さまが増えていきました。現在は、一切していません。開店当初はまず店を知ってもらおうと、地域新聞に何回かクーポンを付けたり、来ていただいたお客さまに抽選で自転車や電気毛布などの景品が当たる抽選券をさしあげていました。抽選券は手作りでしたし、景品も知り合いに安く提供してもらったりしたので、あまり経費をかけずにできました。オープンしてから、こうした抽選会を何回か実施したところ、徐々にリピーターのお客さまが増えていきました。今では、インターネットの個人ブログなどでうちの店が紹介されていて、驚いています今では、インターネットの個人ブログなどでうちの店が紹介されていて、驚いています。

‥‥‥●商売としては、順調のようですね。
 開店当時に比べれば安定しているとは思います。当店の自慢は生地づくりであり、ほかのパン屋さんにはまねのできない商品を売っているので他店はあまり脅威には感じていません。しかし、今は景気の先行きが見えないので、心配ではありますね。

‥‥‥●最後に今後の展望をお聞かせください。
 
26歳になる息子が、私と同じように、今パン職人の修業をしています。今年で6年目です。家でパン作りの話ができるというのは、幸せなことですね。いつかは息子と一緒に店をやれればいいなと思っています。あるいは、独立して自分の店を出してくれてもいいかもしれません。いずれにしろ、息子の考え次第ですがね。

 
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