経  営  談  話  室 
【経営談話室 Vol.79】
 


パッキン1個から新築まで

地元に根を下ろした堅実経営
で成長目指す


  

   

 
 
有限会社宏輝住設  梅谷 太一社長に聞く
 
  千葉市若葉区を中心に上下水道設備工事を請け負う“町の水道屋”としてスタート。わずか10年でリフォーム全般、住宅・店舗の新造改築も手がけ住まい全般に関わる会社として成長し続ける宏輝住設。昨年秋には同区大宮台に住宅設備のショールームをオープン。地域の存在感をアップしています。建築業界を取り巻く環境がますます厳しさを増す中、地域密着の会社として地道な経営を目指す梅谷社長に、創業の経緯から今後の見通しまでお話を伺いました。
 

‥‥‥●まず、御社の紹介からお願いします。
 
当社は、平成11年の設立以来、ハウスビルダーや工務店からの受注で水道設備工事を自社で行ってきましたが、四年ほど前から施工は外注業者に任せ、当社は施工管理として現場を監督する形態に変わりました。同じ頃、リフォーム部を新たに立ち上げ、地域のエンドユーザー向けの住宅リフォームを並行して行っています。現在は、水道給排水設備7に対しリフォーム3の比率になっています。

‥‥‥●昨年11月に住設機器のショールーム「住宅リフォーム館」を本社近隣の若葉区大宮台にオープンしました。この狙いは?
  
この地域における当社の認知度アップが目的です。本社事務所は立地的にやや目立たないところにありますので、地域の方たちに当社の存在を知っていただくためにこのショールームが窓口の役割を果たします。また、当社は県の経営革新の承認を受けておりますが、その中で「店舗展開によるリフォーム需要の引き出し」を目標に掲げています。それも狙いの一つになります。現在「住宅リフォーム館」には、営業・施工管理担当の男性社員4人と「ショールームアドバイザー」として女性3人を配置し営業しています。

‥‥‥●水道設備業界に入られたきっかけは?  
   衣食住に関係した職に就きたいと思っており、中でも「水」は生活に必要とされるものですから、この業界を選びました。もともと独立心が強い性格でしたので、都町にある指定工事店で6年ほど勤めた後、自営業として約2年間営業していました。対外的な信用もできたこともあり、11年前に現在の会社を設立しました。

‥‥‥●社名の「宏輝」は誰かの名前のようですが、由来は?
   実は、私の両親の名前を1文字ずつもらってつけたものです。父は重機のオペレーター、母が専業主婦で当社とは全く関わりはありませんが、2人とも実直な人柄で、自分の会社でもその実直さを初心にしようという思いを込めて、現在の社名にしました。

‥‥‥●水道業界の現状はどうですか?
 建築業界の受注棟数は好調時に比べ3割から4割減少しているといわれています。水道設備業界は、建物を造る会社があっての業界ですので、建築業の業績が悪ければ水道業にも影響があります。当社でも、一般住宅から集合住宅まで水回りの仕事はすべてこなしていますが、いずれも工事単価が下がり材料費が上がっているのが現状です。通常利益を今までは確保していましたが、現在は減少した分をボリューム(受注量)でカバーしているという状態です。

‥‥‥●DMの反響はどのくらいあったのですか
  1,000社に発送して、約30社からお問い合わせなど反響をいただきました。約3パーセントぐらいですね。当社にとっては上々の反響といえます。当社のDMは少し工夫をしていまして、相手先へのご挨拶のお手紙と当社の会社案内とともに封筒にちょっとした細工を加えることにより、大体開封していただけるわけです。

‥‥‥●現場などにおいて重んじていることはありますか。

 若い会社ですから、まずはお得意さまからの信用を得ることが最も重要です。当社では、外注の職方20組と契約して給排水施工を発注していますが、施工は当社が作製した工事マニュアルに基づいて行い、現場の引き渡し前には必ずチェックリストであらゆるポイントをチェックし元請け先に引き渡すようにしています。実は、こうしたチェックリストは通常、元請けが私どものような会社に行うものですが、それを当社は自社で実施しているというわけです。これによって、職方さんたちもいい加減な工事ができませんしイージーミスなどもなくなります。結果的にそれが発注先企業に対しての信用につながるわけです。

‥‥‥●リフォーム事業について、特長などを紹介してください
  水道工事同様、リフォームもパック商品として提供しています。旧設備の解体から、給排水、クロス張り替え、設置まですべてセットで、この金額という形で提案させていただいています。たとえば、トイレの改修工事ですと、本体の価格と設置工事、内装工事も込みで15万8000円からあります。

‥‥‥●リフォームの需要はどうですか?
 今は伸びています。詐欺まがいの悪徳業者の影響で昨年ぐらいまではやや低迷気味でしたが、「新築を考えるなら中古住宅をリフォームして」という人や「建て替えをする予算がないから今の家を改修したい」という人が増えてきています。ショールームに関しては、会社の知名度アップという点では貢献度は大きいと思いますが、売り上げ的にはこれからです。当社で提案している商品はいずれも、技術、工事内容、価格で大手さんに負けないものだと自負していますし、いずれもお客さまが喜んでいただける自信があります。

‥‥‥●建設業界もまだ厳しい状況にありますが、御社としてはどう乗り切って行こうとお考えですか。
 新築住宅の需要というのはこれから減っていくと思っています。ですから、水道給排水工事の比率も見直さなければなりません。この先1年半ぐらいで、給排水工事とリフォームの比率を五分五分ぐらいに持っていきたいと考えています。給排水が減った分をリフォームでカバーしたいという考えです。そのために、今その地盤づくりを進めているところです。当社は、管工事業と建設業の認可を県知事からいただいていますが、このほかに、宅建業の認可取得に向けて動いています。増改築でもそれなりのお金がかかりますから、「いっそのこと建て替えようか」というお客さまが増えてくると予測しています。当社では「パッキン一個から新築まで」というキャッチフレーズを掲げていますが、こうしたお客さんのニーズに応えられるよう、今年中に環境を整えていきたいと考えています。

‥‥‥●現在、年商はどれくらいになりますか。
 約4億円です。創業時は4800万円でしたから10倍になっています。給排水工事の元請けが増えたのとショールームを含むリフォーム部門の利益などで今期の年商は、約5億5千万円に到達する見込みです。

‥‥‥●リフォーム部門の見通しはどうですか。
 現在、将来他地域での店舗展開を視野に入れ、現在ショールームの責任者を育成しているところです。任せられる人材が育ってはじめて次の店舗展開が可能となりますので、まずは人材への投資に力を入れています。

‥‥‥●社員も増員の予定ですか。

 当社は今のところ少数精鋭のような形ですが、正直言うと人手は足りない状態です。ただ、数の少ない中で、社員みんなが十二分の力を発揮すれば、足りない部分を補えるだろうとは思っています。それでもまだ必要な場合、増員していこうと考えています。

‥‥‥●最後に今後の抱負などをお願いします。
 今、景気がこういう不安定な時期で、住宅需要もなかなか先行きが読めない状況だと思います。ただ、宏輝住設としては、給排水設備工事というものを会社の一番太い根っことしてこれからも大事にしておきたい。そして、リフォームの店舗展開を含め健康的な経営を目指していきたいですね。一気に店舗展開で会社を大きくしたり人を増すことより、地域に密着しながら地道に売り上げと利益を伸ばしていければと考えています。私は今38歳ですが、2年後の40歳までにはこの会社を年商8億の会社に成長させたいと目標があります。恐らく実現できると思っています。その時点で社屋も新築したいですね。
 
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